弁護士ブログ

成年後見業務遂行中,本人に意思能力があると感じた場合

-桑原ブログ , ■弁護士ブログ , 家事

2014.03.03

 平成25年11月に,長崎県社会福祉士会主催の成年後見人養成講座の講師として,家族法の基礎という題目で話をしたが,その後受講生からいくつか難しい質問があった。

 その中で,成年後見人として業務をやっている中で,本人の意思能力が失われていないと感じたときに,保佐や補助といった別類型への変更申立をすべきではないか,との質問を受けた。

 なかなか,鋭い質問だ。

 民法の意思表示理論を突き詰めて考えれば,保佐ないしは補助相当の可能性があり,成年後見人がそのように感じた以上,その申立をすべきなのかもしれない。

 しかし,他方で成年後見人は精神鑑定については素人に過ぎない。少なくともプロの精神鑑定の結果成年後見相当とされた方について,その後成年後見人が接しているうちに,「意思の疎通ができるじゃないか。」と感じただけなので,保佐ないしは補助相当と具体的に認識した,とまでは言えない,とも考えられる。

 また,保佐や補助を検討するとしても,基本的に成年後見同様の幅広い代理権,同意権・取消権を設定すべき事案であれば,類型の違いは些細なものに過ぎない,とも思われる。

 ただ,成年後見の状態だと,先日法改正された選挙権はさておき,法律上様々な権利制限がまだ残っている訳で,保佐・補助相当の方であれば,その申立をしてあげるべきでは?という発想には,確かに一見の価値がある。

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