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坂の上の雲(不動・不惑)

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2014.05.26

 義父から借りた,司馬遼太郎の「坂の上の雲」(全8巻)。

 明治維新の文明開化時の小国日本が,日清戦争,日露戦争と,順次大国を奇跡的に破って行った時代における,騎兵隊隊長の秋山好古と,海軍参謀の秋山真之兄弟,それから俳人正岡子規を中心とした,ノンフィクション小説である。

 ところどころ,小説家夏目漱石であるとか,首相(元首相)伊藤博文,山形有朋といった政治家にも焦点が当てられ,話が脱線するのだが,それぞれ独特の存在感を発揮して,全体的な流れに逆行する行動をしたりして,学生時代に学んだ程度の日本の歴史では全く知らなかったような話にふれることができ,それもまた一興であった。

 

 しかし,やはり醍醐味は,日露戦争の場面であろう。

 ストーリーの半分を過ぎたあたりから,日露戦争は始まるのだが,順次,海軍による黄海海戦(ロシアの旅順艦隊壊滅),陸軍による旅順要塞陥落,陸軍による奉天決戦,そして海軍による日本海海戦(ロシアのバルチック艦隊壊滅)と,話は進んで行くのだが,とにかくロシア側の総司令官の無能さと,日本側の大将・参謀のマッチングが,すべての戦いにおいて,際立っていた。

 まずロシア軍。旅順艦隊のウィトゲフト,旅順要塞のステッセル,陸軍のクロパトキン,そしてバルチック艦隊のロジェストウェンスキーと,これほどまでに無能なのか,というくらいに,こき下ろされています。作戦の重大な局面で,事前準備をしていなかったり,あっさり諦める決断をしてしまったり。

 他方で,日本側はどうか。
 日本陸軍の総大将大山巌と参謀児玉源太郎の組み合わせ,日本海軍の総大将東郷平八郎と参謀秋山真之の組み合わせは,いずれも不動・不惑の総大将を,稀代の天才が支える構図であり,感慨深い。

 沙河会戦において,大山巌は戦争真っ最中,司令部が殺気立ったところで,「児玉さん、今日もどこかで戦がごわすか」と場を和ませたという。

 東郷平八郎も,ロジェストウェンスキーの率いる旗艦スワロフとの激しい砲戦において,数時間,立ち位置を変えることなく立ち続け,東郷の足下だけが乾いていたらしい。

 学生時代に学んだ日本の歴史では,日露戦争の勝利と,東郷平八郎という名前くらいしか記憶されていない方も多いと思うが,ただの歴史小説ではない。

 組織を活性化させたいトップの方,またトップを支えて組織発展に貢献したい名参謀の方,一読の価値あり,である。 

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