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平成27年9月 代表弁護士あいさつ

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2015.09.25

この夏日本列島は、集中豪雨や地震・噴火等の自然現象が多発しました。何らかの異常を伝える報道が出された場合に、その報道を元に迅速かつ的確に行動を開始できれば、重大な危害は避けられるのでしょうが、人は危機が間近に迫らない限り、具体的行動に出られないことも事実。改めて、普段から危機意識を持ち、緊急時に行動すべき準則を予め設定しておくことの重要性を再認識しました。

さて、話題はがらりと変わりまして、認知症等の高齢者の方の適切な財産管理と身上看護を主目的とした成年後見制度(保佐・補助も含む)ですが、裁判所の統計資料によれば、平成26年の申立件数が3万4373件であり、前年度とほぼ変わらない件数となっています。平成26年12月末日現在、継続している成年後見制度の利用者数は、合計で18万4670人となっており、平成26年に厚生労働省が発表した認知症高齢者数の推計が462万人とされていますので、単純計算としては25人に1人程度しか成年後見制度が利用されていない実情です。

成年後見制度の主な申立動機として、預貯金等の管理・解約を挙げている方が2万8358件、介護施設等入所のためが1万2237件、相続手続のためが5940件などとなっています。申立手続が簡略化し、申立に要する諸費用も20年前と比べてかなり安くなったとはいえ、裁判所が役場や交番ほどには身近な存在となっておらず、必要に迫られない限りは、成年後見制度を利用せずに済ませてしまう、日本社会の実態が浮き彫りとなっています。

さらに、従前は子や配偶者など親族が成年後見人になる割合が圧倒的に高かったのですが、親族後見人による横領その他の不祥事の多発報道を受け、平成26年に選任された成年後見人の65%が、弁護士・司法書士・社会福祉士等の第三者後見人になっているそうです。かかる専門職後見人が選任されてしまう実情も、成年後見制度が気軽に利用できなくなっている原因となっているものと思われます。

さらには、横領等の被害の多発を防ぐために専門職後見が増えたのですが、今度はその専門職による横領等の不祥事も、たびたび報道されています。何か運用を変えても必ずその運用の下に次のトラブルが発生する。そのトラブルに対処するためにまた運用を変えるが、それを前提に次のトラブルが発生する。その繰り返し。

人生も、企業経営も、国家の運営も、将来を長い目で見通して計画・行動し、一時的かつ短期的な発想・批判に一喜一憂することなく、自らの信念に基づいて進んでいくことが、何よりも大切なのだと思います。

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