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消えた高齢者問題1・高齢者消除という手続の存在

■弁護士ブログ , 家事

2011.04.10

  昨年夏に、消えた高齢者問題無縁社会の問題親族による年金の不正受給という問題が全国的に多数報道されました。
  
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  そして、戸籍制度の不備、役所の怠慢などという観点での報道も目立ちました。

  現在の戸籍制度は、基本的に本人や関係者からの届出に基づいて、役所が確認の上で、記載が改訂されていくものとなっています。
  役所が定期的に職権で戸籍を調査するシステムとはなっていません。
  
  そういう意味で、戸籍に関する法律に不備があるわけです。

  戸籍法第24条2項には、戸籍の訂正に関する規定があります。

  条文は長いので要約すると、戸籍の記載に間違いがあり、戸籍訂正の申請をする者がないときは、市町村長は、法務局長の許可のもと、戸籍の訂正をすることができる。と書かれています。
  逆にいうと、消えた高齢者問題に対応できる条文が、これしかありません。

  そして、この法律を根拠に、戸籍と事実を一致させるために、大正5年から、市町村長が、死亡したと推定される高齢者を職権で消除する運用が始まったそうです。

  そのような運用は、上記法律の下にやる訳なので、法律の要件を満たしたやり方でやらなければならず、それなりの手間がかかります。
  現在の運用上では、戸籍上「90歳以上の高齢者」について、認められる場合があるわけです。
  戸籍の附票に住所記載がないことや、親族の申請親族の調査などを経なければなりません。
  また、市町村が独断でできるわけではなく、法務局長の許可の下にやらなければならないなど、高齢者消除をするためのハードル(手続的な手間)が割と高いのです。

  役所の怠慢と、批判するのは容易いですが、私は率直に戸籍法の不備=歴代の国会議員の怠慢である、というのがしっくりきます。

  次回の記事(消えた高齢者問題2・高齢者消除手続の要件)はこちら

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