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頭の体操‐命題論理‐

■弁護士ブログ , 松本ブログ

2012.11.20

突然ですが,
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「AはBである。」という前提が正しい場合,

1「BならばAである。」
2「AでないならばBでない。」
3「BでないならばAでない。」

「A」「B」に何が入っても正しいといえるのは,
上の1~3のうち,どれでしょうか?
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わかりにくいので,
「A」「B」に具体例を入れて考えてみましょう。

たとえば,

「A」=「私」
「B」=「α会社の現社長」

とします。

そして,
各選択肢の主語を「それが」にしましょう。

すると,

「私はα社の現社長である。」という前提のもと,
1「(それが)α社の現社長ならば私である。」
2「(それが)私でないならばα社の現社長でない。」
3「(それが)α社の現社長でないならば私でない。」

という選択肢になります。

一見すると,どれも正しいように見えます…。
「α社の現社長」は世の中に一人しかいない
という前提があります。

詳しくみてみると…
1「α社の現社長」は「私」一人しかいないので,正しいでしょう。
2「私」以外に「α社の現社長」はいないので,これも正しいでしょう。
3「α社の現社長」でない「私」はいないので,これも正しいでしょう。
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では,次に別の例を考えてみます。

「A」=「私」
「B」=「男」

としてみましょう。

すると,

「私は男である。」という前提となり,
1「(それが)男ならば私である。」
2「(それが)私でないならば男でない。」
3「(それが)男でないならば私でない。」

となります。
この場合,
「男でなければ女」「女でなければ男」という前提があります。
(厳密にいえば中間的な立場もありますが…)

一見すると,すべて正しいような気もしますが,

よく考えてみると,
1「男」の中には「私」ではない人もいるので,1は正しくない?
2「私」以外の中にも「男」の人はいるでしょうから,2も正しくない?
3「男」でなければ「私」である可能性はないので,3は正しい?

少し混乱してきました…。
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さらに,
他の例も考えてみましょう。

「A」=「犬」
(玩具の犬や揶揄的な意味の「犬」は除くことにします…)
「B」=「動物」

とします。

すると,

「犬は動物である。」という前提となり
1「(それが)動物ならば犬である。」
2「(それが)犬でないなら動物でない。」
3「(それが)動物でないなら犬でない。」

となります。

余計わかりにくくなった気もしますが…

1「動物」には「犬」以外のものも多くあるので,1は正しくない。
2「犬」でなくても「動物」である可能性はあるので,2も正しくない。
3「動物」でない「犬」はいないので,3は正しい。
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まだわかりにくいので,
もっと極端な例にしてみましょう。

「A」=「地球」
「B」=「丸い」(ということにしましょう…)

すると,
「地球は丸い。」という前提となり,
1「(それが)丸ならば地球である。」
2「(それが)地球でなければ丸ではない。」
3「(それが)丸でなければ地球でない。」

1「丸い」ものは「地球」以外にもあるので,正しくない。
2「地球」でなくても「丸い」ものはあるので,正しくない。
3「丸」くない「地球」(三角や四角)はないので,正しい。

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いろいろ見てきましたが,

結局,

 だけが,

「A」「B」に何が入っても正しい結果となります。

このように,

「AならばB」という命題に対して

「BならばA」を「逆」

「AでなければBでない」を「裏」

「BでなければAでない」を「対偶」

と呼びます。

命題の真偽とその「対偶」の真偽は必ず一致しますが,
「逆」や「裏」は必ずしも命題の真偽と一致しません。

このことから,
「AならばB」という命題が正しいかは,
その「対偶」(「BでないならばAでない」)
が正しいか否かを考えれば分かることになります。

たとえば,
「犬ならば空を飛べる。」という命題の真偽を確かめるには,
「空を飛べないなら犬ではない。」
という命題が真かを考えればよいことになります。

この点,空を飛べなくても犬ですので,
「犬は空を飛べる。」という命題は正しくない,ということになります。

また,
相手の主張に対して反論する視点として,
相手の主張が,ある「前提」の「逆」や「裏」の関係にないか。
あるとすれば,「前提」の真偽と一致しない可能性はないか。
…と考えることができます。

以上,命題論理を使った頭の体操でした。。。

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