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囚人のジレンマ

-桑原ブログ , ■弁護士ブログ , スキル・思考法

2013.03.01

最近読んだ本に、囚人のジレンマという経済学における理論が出てきました。

なかなか興味深い内容です。
いくつかのバージョンがあるようですが、そのうちの一例をご紹介します。

 

凶悪犯罪を起こしたAとBを警察は逮捕したものの、証拠不十分であるため、
お互い連絡を取れない状況にして、警察が司法取引を持ちかけるという設定です。

 

①もし、AとBが2人とも黙秘したら、2人とも懲役6か月だ。

②だが、AかBいずれか1人だけが自白したら、
自白した方は無罪にしてその場で釈放するが、
自白しなかった方は懲役10年だ。

③ただし、2人とも自白したら、2人とも懲役5年だ。

 

このとき、AとBは、協力して黙秘すべきか、それとも裏切って自白すべきか、という問題です。

 

Aの立場で考えてみます。

Bが①の黙秘を選んだ。
⇒ Aが(黙秘)を選べば懲役6か月、自白を選べば無罪
⇒(自白)の方が得。

Bが②③の自白を選んだ。
⇒ Aは(黙秘)(自白)いずれにしても、懲役5年。
・・だったら、自分(A)は黙秘より自白した方が得だ、

という結論に至る。

 

しかし、Bも同様に考えるので、結局2人とも自白をして、懲役5年になる訳です。

いかがでしょうか。

AとBにとって、互いを裏切って5年の刑を受けるより、
互いに協力して6か月の刑を受ける方が絶対的に得なのですが、
それぞれが自分の利益のみを追求しているため、
互いに裏切り合うという結末を迎えるわけです。

ちなみに、囚人のジレンマと言っていますが、
AとBは厳密には「被疑者」です。

 

さて、このようなことがなぜ起こるのでしょうか。
それは、AとBに信頼関係がなく、
自分の利益しか顧みていないためです。

AとBにとって、最高の結論は、①の黙秘=協力なのですが、
2人のために、相手のためにという気持ちがないために、
お互いが②③の自白=裏切りを選んでしまう訳です。

夫婦関係においても、職場環境においても、
相互の信頼関係、相手方のためにという精神の大切さを、
再認識させられます。

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