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北海道弁連大会・in釧路 パート2・・・司法過疎対策・すずらん基金の今後

-桑原ブログ , ■弁護士ブログ , 弁護士会

2013.07.30

 北海道弁連大会・in釧路 パート1 に続く第二弾

 7月26日。
 午前中から,北海道弁連大会の記念シンポジウムに参加した。

 

すずらん基金のこれからを考える~

 北海道管内の弁護士過疎地域に,弁護士をきちんと配置するためのシステムとして,これまで日弁連は公設事務所(弁護士会費を事務所設立費や運営費に充てるシステム)を弁護士過疎地域に設置してきた。
 しかし,司法過疎地域に積極的に行きたいという弁護士が現れない限り,公設事務所を永続的に維持していくことは難しい。そこで,北海道弁連では,平成16年にすずらん事務所を設置し,そこで公設事務所に派遣する弁護士を2年間養成するシステムを採用した。
 北海道弁連に登録している弁護士から徴収した会費に基づいて運用しているのだが,ここ数年赤字が続いており,赤字額が半端ない,という。

 北海道弁連管内の地域の広大さは,これまた半端ない。
 北海道の裁判所の管轄は,4つに分かれており,札幌本庁・函館本庁・旭川本庁・釧路本庁の4つの地方裁判所が存在し,それぞれに対応する形で弁護士会も配置されている。札幌本庁も,西は小樽やニセコ,南は苫小牧や室蘭,そして東はえりも(襟裳岬で有名)まで,と広大だが,それより旭川本庁管内(旭川,稚内,留萌など)は広く,さらに釧路本庁管内(釧路・帯広・北見・網走・根室まで)はさらにもっと広い。釧路本庁管内だけで,四国の1.7倍の広さがあるらしい。過疎も激しく,今後10数年で,北海道全体で100万人以上人口が減るとの予想も。

 そのような中で,弁護士過疎地域の人口減少は著しく,今後需要がますます減っていく(そのため,経営的にも大変厳しい)ことが予想される過疎地域に,積極的に行こうという弁護士は少ない。

 しかし,法的ニーズは少ないながらもある訳で,それにこたえるために経営的には赤字でも対応しなければならない,過疎地に赴任する弁護士がいなくてその公設事務所が閉鎖されてしまえば,結果的にその管内の他の弁護士達のしわ寄せとなって表れてくるわけで,赤字だからやめようという議論はおかしい,との意見。

 他方で,司法過疎の解消の維持はもちろん大事だが,赤字を漫然と放置してきたこれまでの運用に問題があるのは事実で,今後も赤字解消の目途が立たないシステムであるならば,すずらん基金のようなシステムは廃止にして,司法過疎地に行くことを希望する法律家を個々の法律事務所で養成するシステムを採用すべきだ,との意見。

 シンポジウムの中では,現時点での即廃止という方向ではないにせよ,今後も赤字が解消されないのであれば,すずらん基金を廃止することも検討すべきとの意見が多数出されていた。

 実は,こちら九州においても,すずらん基金と同様の趣旨で設立されたあさかぜ基金問題が存在する。
 すずらん基金同様の問題を抱えており,こちら北海道弁連での資料や議論を参考に,大いに改善提言をしていきたい。

問題解決に向けて、全力を尽くします。まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

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