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韓国・蔚山(ウルサン)弁護士会との交流会 Part2-犯罪被害者親族が傍聴席から突然話し始める制度

-桑原ブログ , ■弁護士ブログ , 刑事

2013.12.10

 蔚山の裁判所においては,韓国の刑事事件の法廷の傍聴も致しました。

 法廷では,少年が14歳以下の少女に対して性犯罪を行った事件が審理されていました。私が傍聴席に入る際,被害者の祖母と思われる女性が泣き崩れながら,法廷から出て行く場面に遭遇しました。

 法廷では,3名の女性裁判官(本件では,たまたまそういう配転になったらしいが,女性裁判官の比率は,日本よりも相当程度高いらしい)を中心に,傍聴席から見て左に検察官,右に弁護人,弁護人の隣に少年被告人が着席し,やり取りをしていました。

 少年に発言の機会が与えられ,ハングル語で反省の言葉らしきものを述べていたところ,突然私の左隣に座っていた傍聴人の男性が立ち上がり,少年に対して激しい口調で話し始めました。時折,興奮して右手を振りながら少年を指さしていました。話しぶりからして,少年の言葉を受けて激しくののしっている雰囲気であるのですが,裁判官が黙ってそれを聞いているのです。

 日本の裁判所では,傍聴席にいる者が発言すること自体,許されていません。

 いわゆる,


「傍聴席は,静粛に。」


です。

 しかし,隣の被害者の親族と思われる男性は,何の前触れもなく立ち上がり,被告人少年を叱責し始めたのです。

 後で聞くところによると,韓国では被害者またはその親族であれば,傍聴席からでも発言権が認められており,隣の男性は被害少女の父親である,との説明がありました。
被告人は,少女とは同意の上での性的接触であったと言ったそうですが,それに対して父親が反論した,という説明が,後ほど広報担当裁判官からありました。

 犯罪被害者にも参加の権利が認められている日本ですが,あくまでも検察官の隣りに座らなければなりません。また,いきなり話すことは認められていません。検察官を通じて話すか,あるいは裁判所から発言を求められて話す権利が認められているのみです。

 それと比べますと,韓国では被害者又はその親族であれば,傍聴席から自由に発言できるとのこと。

 犯罪被害者にも相当程度,配慮した刑事裁判。

 一歩進んだ司法制度が,ここでも垣間見えました。

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