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令和を迎えて

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2019.05.27

 

5月1日,天皇陛下御即位による皇位継承により,元号が令和と改元されました。

内角総理大臣談話では,令和の由来について,万葉集にある「初春の令月にして気淑く風和ぎ梅は鏡前の粉を披き蘭は珮後の香を薫らす」との文言から引用したものであること,「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められていることが述べられていました。

国民の理想を体現すべき元号として,素晴らしいものになったと感じます。

 

塚本弁護士のブログで,元号法について触れられていました。
今回は,その元号法及び元号の法的根拠に関する歴史について,簡単にご紹介したいと思います。

 

明治以降の元号の法的根拠については,まず,明治元年の行政官布告において,「以後革易舊制一世一元以爲永式(以後舊制ヲ革易シ一世一元ヲ以テ永式ト為ス)」として一世一元が公的に規定され,その後,旧皇室典範第12条において「践祚ノ後元號ヲ建テ一世ノ間ニ再ヒ改メサルコト明治元年ノ定制ニ從フ」と規定されていました。
しかし,戦後,皇室典範からこの条文が削除されたことにより,元号は法的根拠を失いました。その後も皇室典範は改正されず,元号は,事実たる慣習としてのみ存続している状態となりました。

 

こうした中,元号に再び法的根拠を与え,法的安定性を持つようにとの趣旨から,昭和54年6月6日,元号法が成立しました。当時の国会の会議録などを見ると,様々な議論がされています。

例えば,憲法学者の一部から,元号は政令ではなく法律で定めるべきだといった意見も出されたようです(もしこの意見が採用されたならば,元号をどう定めるかについて,両議院での議決が必要になりました。)。
他方,他の憲法学者から,私人が元号を使用せず西暦を使用した場合に法的な不利益を受けるわけではないから,元号は必ずしも法律で定めることを要せず,決定手続を政令に委任することは許されるという意見が出されました。
最終的には,後者のような見解に基づき,「元号は,政令で定める」という形で立法されました。

さらに,同国会では,「昭和をもって元号使用を終え,西暦に統一すべきだ」という意見もありました。しかし,昭和54年当時も,元号がこれまでの歴史、伝統,文化と結びつき連綿と継承されてきたことを踏まえ,十分に尊重されるべきだとの考えが中心的だったのでしょう。最終的に法案は成立し,元号は,再び法的根拠を取り戻すことになりました。

 

改元を機に,元号法及び元号の法的根拠に関する歴史について,簡単にご紹介しました。
令和の御代もよろしくお願いいたします。

 

弁護士 筬島

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