借金相談が減ったことにより,弁護士業界は厳しい時代へ
■弁護士ブログ
2011.12.05
前々回の投稿で,借金相談が減ったことは,世の中にとっては良かったこと であると書いた。
これまで借金相談やその依頼は,
多くの法律事務所にとって,事務所経営上の要(かなめ)となっていた。
その相談や依頼が激減していることは,
弁護士業界にとっては,厳しい時代に突入したことを意味する。
そもそも多重債務者を減少させるために一生懸命取り組んできたのは,
我々弁護士達(それも,消費者問題に取り組んできた弁護士)である。
平成18年の最高裁判決や,新しい貸金業法成立に尽力したのも,
消費者問題に取り組んできた弁護士達である。
その当時から,多くの弁護士達が(私自身も),
新しい貸金業法ができれば,貸金業者は激減し,
多重債務者が減少することにより,
借金関係の相談が減少するだろうと予想していたが,
今まさに,それが現実のものとなったわけだ。
業界にとっては,上記のように多くの弁護士達が予想していたわけだが,
それでも世のために,正義と公平を貫くために,
弁護士達は,結果として,
将来の自分たちの経営状態を苦しめることになるであろう取り組みに,
励んだわけである。
多くの業界団体が,その業界の既得権益を守るために動くことが多い中で,
弁護士業界は,分たちの業界のためではなく,
多重債務者救済のために,
正義と公平のために,
正義と公平のために,
活動してきたわけで,
素直に誇らしい
と思う。