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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2021.01.29

扶養義務(ふようぎむ)を知っていますか?

桑原ブログ , 法律コラム

数年前に、売れっ子芸人の母親が生活保護を受給していたため、生活保護の不正受給である、と「扶養義務」が一時的にクローズアップされたことがありました。私たちも同様に親を扶養しないといけないのでしょうか。

関連記事:扶養請求権とは

民法877条には、次のような規定があります。

「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」

直系血族とは、親子間あるいは祖父母と孫の関係を言います。

さらに、民法879条では、次のように定められています。

「扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき・・・・・一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。」

つまり、これらの規定によると、祖父は孫に対して、姉は弟に対して、扶養して欲しい、扶養費を支払ってほしいと言うことができる場合があるのです。しかし、この家庭裁判所での扶養料請求事件は、実務上ではあまり利用されていません。

なぜでしょうか。

1 親子・兄弟が円満な親族の場合

親族間で話し合いが行われ、扶養の程度及び方法が円満に取り決められ、家庭裁判所に持ち込む必要がない場合が多いのでしょう。

2 親子・兄弟が円満でない(もめている)親族の場合

心理的にこの制度を利用して扶養料を請求するということが、プライドとして許されない、という感覚があるのかもしれません。

3 扶養料を請求できることを知らない

しかし、何よりも、扶養料請求の手続があまり利用されていないため、一般の方々がこの制度を利用しようと思いつかない、この制度の利用について弁護士に相談しようと思わない、ということが挙げられます。

4 弁護士がアドバイスしきれていない

また、我々弁護士自身が、実務上あまり利用されていない扶養料請求の手続きをアドバイスしきれていないといったことも考えられるでしょう。
多くの弁護士が、相続問題や成年後見の問題には取り組んでいます。
しかし、「扶養義務」をきちんと理解して、実務上使いこなしている弁護士は、まだまだ少ないのが実情です。
幅広い経験と深い理解のもとに、高齢者問題に取り組んでいきたいものです。

さいごに

当事務所では、「扶養義務」問題を扱い、ニーズを抱えた方のために活動し、扶養義務を認めてもらったり、扶養請求に対して請求の一部を廃除してもらったりするなど、一定の成果を出したこともございます。
親族の誰かに扶養請求をしたい方、扶養請求をされてしまった方、自分が扶養請求できるのか知りたい方など、ぜひ当事務所にご相談ください。

ご相談から解決まで、
高い満足度をお約束。

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最初にご相談いただくときから、問題が解決するまで、依頼者様の高い満足度をお約束します。
そのために、私たちは、専門性・交渉力(強さ)×接遇・対応力(優しさ)の両面を高める努力をしています。