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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2021.07.25

商品送り付け商法対策の法改正

桑原ブログ

皆さんも、注文していないのに、こちらが注文したかのように装って、商品が一方的に送り付けられた体験をされたことがあるのではないでしょうか。

この度、送り付け商法に関する新しいルールが始まりました。
今年6月9日、特定商取引法の改正法が、国会で成立しました。大部分の規定は、今後1年以内に施行される予定ですが、そのうち送り付け商法に関する特定商取引法59 条及び59 条の2だけは、令和3年7月6日から施行されています。

これまでの規定では、販売業者が申込みを受けていないのに一方的に商品を送り付けて売買契約の勧誘をする場合、消費者は商品を受け取った日から14 日間を経過するまでは、商品を処分することができないとされていました。法律上は、14 日間が経過するまでの間に、消費者が売買契約の申込みを承諾せず、かつ販売業者が商品の引き取りをしない場合には、販売業者は商品の返還を請求することができない、と規定されていました。つまり、14 日間は、売買契約が成立するかもしれないので、不成立が確定して販売業者が商品を引き取るまで、処分してはならない、とされていました。

しかし、改正法の下では、一方的な送り付け商法を行った販売業者は、期間の制限等もなく当該商品の返還を請求することができないと規定されていますので、受け取った側は直ちに処分することができるようになった訳です。

ただし、消費者の営業に関連する商品の送り付けの場合は、上記規定が適用されない場合がありますので、注意が必要です(特定商取引法59 条2 項)。

なお、今回の特定商取引法の改正内容のうち、消費者側が承諾すれば、契約書面の交付に代えてメールなどの電磁的方法によることができるとの法改正(施行は今後2年以内)は、問題をはらんでいます。契約書面を受け取った日がクーリングオフ(訪問販売等の場合は8日間)の起算点となるところ、メールなどの場合は、読み飛ばしてしまったり、注意深く読まなかったりするため、「契約書面の交付」によって消費者に再考・熟考する機会を与えるという法律の趣旨が没却してしまうのではないかという懸念です。施行日までにどのような調整が行われるのか、今後も注視していく必要があると思います。

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