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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2022.02.25

ネット中傷に「NO」刑事告訴のススメ

桑原ブログ

インターネット人口は49 億人とされ、だれもが情報の発信者となれる時代です。

匿名性をいいことに、特定の個人や企業に対して中傷も繰り返されています。被害者が自殺をしたり、精神的に病んでしまったり、企業経営に深手を負ったりする事例は枚挙にいとまがありません。

投稿内容にもよりますが、企業が標的になると名誉毀損罪(刑法230 条)や業務妨害罪(刑法233 条)といった、法定刑の比較的高い犯罪(3 年以下の懲役等)が成立しうるケースもあります。警察が対応する場合も多いかと思われます。

しかし個人が対象だと、なかなか難しい状況です。ネット上に特定の個人に対する中傷が投稿されたとします。悪質なら犯罪にあたると思われがちですが「バカ」とか「死んでしまえ」などでも、現行法では「侮辱罪」しか成立しません。

侮辱罪(刑法231 条)の法定刑は「30 日未満の拘留又は1万円未満の科料」という、非常に軽い刑罰です(刑罰が軽いと警察が捜査に本腰を入れません)。刑事の時効は1 年間と短いのも問題です。中傷されても気づくまでに時間がたち、知った後もどうすべきか悩む間に、時効期間が過ぎてしまう(そのため数か月過ぎてから警察に行っても、期間がないとして断られる)からです。ほとんど摘発されず、万が一摘発されてもわずかなお金を納めれば済む訳です。刑罰に抑止効果がほとんどないうえ、民事的な責任追及の難しさもあり、ネット中傷は事実上、野放し状態です。

法務大臣は今年1 月、「侮辱罪の厳罰化」を法制審議会に諮問しました。侮辱罪の法定刑を「1 年以下の懲役等」とし、公訴時効も3 年とする内容での刑法改正が検討されるようです。法改正が実現すれば、ネット中傷にも一定の抑止効果が期待されます。

とはいえ法定刑が「1 年以下の懲役等」では、名誉毀損罪(3 年以下の懲役等)と比べて「軽い」のには変わりありません。警察の鈍い対応は続くと予測されます。被害にあったら弁護士を代理人として、刑事告訴するのが有効です。

企業がネット上の投稿(口コミ投稿なども)によって、名誉毀損や業務妨害をされた場合も同様です。一般的に警察が積極的に対応しない、刑事告訴を受け付けないという傾向があるのは事実です。

弁護士に依頼されると、スムーズに進む場合があり得ます。ぜひご相談ください。

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