組織が先か、戦略が先か

新年あけましておめでとうございます。

昨年秋以降、海外旅行も実質解禁され、インバウンド需要も増えつつあり、訪日外国人の方を街中で見かけるようになりましたね。以前は、いくらでもホテルの空室を見つけられたのが、最近では、ほとんど空室が見つからない日もあり、日常が戻りつつあることを感じます。

さて、経営学者のチャンドラーが唱えた有名な言葉に「組織は戦略に従う」と、同じく経営学者のアンゾフが唱えた有名な言葉に「戦略は組織に従う」というものがあります。

全く反対のことを言っているようにも見えますが、前者には、戦略なき組織の成功は偶然・失敗は必然であるという意味合いがあるのに対し、後者はどんなに優秀な戦略であっても組織（文化）の壁を打ち破るのは容易でない、という意味が込められています。

当事務所では、2019 年10 月に経営理念・ビジョンを刷新して、組織戦略10 か年計画を策定し、組織戦略を現場の各所で実践してもらえるような様々な打ち手（戦術）に、取り組んできました。

必ずしも、計画を策定した私の思惑通りに進んだ訳ではありませんが、理念・ビジョン・組織戦略・事業計画を可視化し、現場とも共有し、そこから先は現場から抜擢した各人やチームに任せることを２～３年実践して、ようやく多くの活動が成果として結実するようになってきました。

なんでも「トップダウンで戦略を決めて現場はこれを実践せよ」、では現場は付いて来てくれませんし、長期的な組織の成長は望めません。

ある程度はトップが方向性を示すことが大事ですが、それ以降は現場が創意工夫して考えた上で実践し、成功体験・失敗体験を重ねることで、組織体として全体的に成長できた訳です。

まさに、「組織は戦略に従う」を実践しながら、「戦略は組織に従う」のハードルを乗り越えた訳です。

現場に感謝するとともに、様々な場面で現場のメンバーをサポートしていただいたクライアントの皆様にも、改めて感謝申し上げます。

今年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。