公開日:2024.11.26
経営理念策定5周年を総括
桑原ブログ
ようやく朝夕の肌寒さを感じられる季節となってきました。
さて、令和元年10月に、事務所としての新しい経営理念とビジョンを策定してから、丸5年が経過しました。理念策定後に程なくコロナ禍に見舞われ、事務所運営の面でもいろいろと大変な事態を経験してきましたが、いくつかの苦難を乗り越えてきたので、一度総括してみたいと思います。
1 クライアントのニーズと成長の実現
「クライアントニーズを徹底的に深掘りして的確に捉え、クライアントを正しく導きその成長を後押しすることで、新しい価値を創造し、クライアントとともに成長していく」
この5年間、私も含めて弁護士・スタッフ全員が、ご依頼いただいたクライアントの皆様のために、その本質的なニーズを捉えることに注力するとともに、業界的にはスタンダードとは言えない打ち手も織り交ぜて、クライアントニーズを叶えてその満足を勝ち取ることが多かったように思います。自賠責保険が因果関係を否定した傷害に関して訴訟で丁寧に立証を重ねて後遺障害等級12級を獲得した案件。養育費不払事案で元配偶者と祖父母らに請求してトータルで数百万円を回収した案件。職場のハラスメント紛争で100万円を超える解決金を獲得した案件など。
勝ち負けのある業界ですので、中には基本的ニーズを叶えられなかったクライアントもいる訳ですが、そこに至る過程で苦労を分かち合い、結論に至る理屈を理解して頂いた案件では、クライアントとともに成長していくことを実感することができました。
2 司法の価値を高める
「三権の一翼を担う司法の価値を高めるために我々弁護士が存在することを理解し、新判例を勝ち取れる専門家集団であり続ける」
裁判官が、立証が微妙な事案では判断を逃げがちであるとか、先例ばかり見て未来を見据えた新しい判断をしてくれない傾向があるのは、紛れもない事実です。だからといって、裁判所に当事者のニーズを伝える役割を果たすべき我々弁護士が、最初からあきらめた活動しかしないようでは、本質的に司法の価値は高まりません。正しいニーズを実現するための活動という軸がぶれなければ、いずれは裁判所に正しい判決を書いてもらえると信じて、これからも活動していかなければなりません。
3 弁護士業界の変革
「誰からも気軽に利用してもらえる弁護士業界へと変革する」
弁護士をいつでも活用できる弁護士保険も劇的には普及していませんし、弁護士の敷居が高い状態から業界が脱却できていないという部分は否めません。とはいえ、特定ニーズに特化して相談料無料・着手金無料というサービスを提供する法律事務所は以前よりも多くなってきましたし、費用設定についても、着手金・報酬金一辺倒でなく、月額制や期間設定により柔軟な料金設定をする新しい取り組みも広がりつつあります。
4 社会貢献
「誰もが泣き寝入りしないで済む世の中を創り、正しい人材を増やしていくことで、社会に貢献する」
画期的な判決を勝ち取ることや、予防法務や戦略法務を実現していくことが、我々弁護士にとっての社会貢献につながると信じて、これからも所員一同、励んでまいります。