MENU
お問合せ

COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2025.01.27

中居正広氏の性加害の示談解決について

桑原ブログ

新年 あけましておめでとうございます。

正月の箱根駅伝。大学駅伝3冠を目指して箱根駅伝初優勝を狙った国学院大学、2年ぶりの優勝を狙った駒澤大学を押さえ、青山学院大学が2位以下に大きな差をつける大会新記録で連覇しました。全国的に注目を集める大会で力を発揮するのは、実力が高い選手が集まっているから、というだけでは説明がつかないところであり、原監督のマネジメント力や選手たちの意欲の高さや本番に向けた調整力、チームワークの高まりなども大いに影響していそうです。

さて新年は、スマップの中居正広氏の性加害疑惑とフジテレビの女子アナウンサーの上納慣習報道で幕開けしました。昨年末も松本人志氏の性加害報道があって年始を迎えましたので、今後もいずれかのメディアが注目をされやすい時期を狙って報道・公開し、ネットメディアで拡散され、マスメディアでも報道せざるを得ないという世論形成の流れができつつあるように感じます。

9000万円の示談金と秘密保持条項などの報道やネット情報が溢れています。
示談契約は、性被害を訴える側と訴えられた側との間で交わされるものであり、両者が何らかの事情で9000万円を支払うことを合意したということは読み取れますが、性加害があったのか、法的な損害賠償義務があったのかは判然としません。性加害というのは、暴力を振るって怪我をさせたという分かりやすい違法行為と異なり、被害者側の同意の有無や、同意の真意性も微妙な事案が多いですし、両名の性交渉に対する誠実性も後日認識の相違が起きやすい部分であり、誠実だった被害者からすれば被害意識も強くなりがちなトラブル累計です。加害者とされる側も被害者と訴える側も、主観的には真実を語っていると確信しがちなところが難しいところです。

9000万円と聞くと、一般的な損害賠償額との対比で法外に高いイメージもありますが、慰謝料だけでなく、休業損害(仕事を休まざるを得なくなった損害)や逸失利益(将来に向けた収入を喪失した損害)も請求しているのであれば、生涯年収は数億円となる方が多い時代ですので、決して法外とは言えないのかもしれません。

秘密保持条項についても、「被害を訴えた側が秘密を漏洩したのではないか?」「示談金9000万円は返すべき」といった意見もみられるところです。しかし、示談の当事者は被害を訴える側と訴えられた側のみであり、被害を訴えた側が示談成立までにいろいろな人に相談してきたことは容易に想像されるところですので、示談前の相談内容を聞いた関係者が情報を漏洩するところまでコントロールすることは不可能です。著名人のこの手のトラブルでは、結局秘密保持条項を取り交わしても、情報の大部分が公開されてしまうというリスクは防ぎようがないことのように思います。

いずれにしましても、報道を見るにつけ、タレントもメディアも、コンプライアンス意識が若干なりとも低くなってしまっていたのではないか、と感じます。改めて我々も、日々、意識の高い行動に務めるとともに、他人の感じ方は千差万別であるということを肝に銘じて「●●ハラ」と言われないよう活動していくことを心がけてまいりましょう。

ご相談から解決まで、
高い満足度をお約束。

ご相談から解決まで、高い満足度をお約束。

最初にご相談いただくときから、問題が解決するまで、依頼者様の高い満足度をお約束します。
そのために、私たちは、専門性・交渉力(強さ)×接遇・対応力(優しさ)の両面を高める努力をしています。