公開日:2025.02.26
事業承継も課題は様々、サービス提供者も様々
桑原ブログ
「事業承継」といっても、現経営者の抱える課題は千差万別であり、その課題を解決することをサービスの軸としている業者や専門家も様々です。
現経営者にとっては、次の後継候補者がいないという課題も切実ですし、後継候補者はいるもののその後継者にいつどのような方法で承継させていくべきかという課題もあります。子供が承継候補者と決まっている場合でも、現場経営をいつから任せるべきか、株式をどのような方法で承継させていくのか、不動産その他の財産の承継をいつどのように行うのか、経営に携わらない相続人対するケアはしなくてよいのかなど、考慮要素はいくらでも広がっていきます。
会社の経営・切盛りを常時している中で、慣れていない事業承継という課題に向き合う時間を確保するのは難しく、事業承継の課題解決機会を逸して相続が発生したり、判断力低下が生じたりなど、どうしようもなくなることもあり得ます。
事業承継に関する各種課題を解決するコンサルティングサービスを行うような業態も、この10数年で著しく成長してきましたが、業態としては玉石混交であり、サービス提供組織自体の情報量や人的ネットワーク、担当者の良識や人脈、専門力によって大変バラつきがあり、顧客目線のサービス提供とは言えないような悪質事例の話もよく耳にします。
銀行・信託銀行その他の金融機関が母体であったり、不動産業者が母体であったり、M&A・事業承継自体を専業とするコンサルティング会社であったり、各種士業であったり、業界内でも得意分野が細分化している状況にあります。
士業で言えば、後継者への相続時トラブル対策であるとか、M&Aの際の法務デューデリジェンス(DD)などは弁護士の領域ですが、承継時の株価計算や節税対策、財務DDなどは公認会計士や税理士の領域です。その他、他の経営課題とも関連する場合には中小企業診断士、労務問題に課題があれば社会保険労務士、不動産にまつわる課題があれば司法書士、いろいろな士業が絡んでくる場合があります。
結局は、課題を抱えた現経営者又は後継候補者自身が、それぞれの人的ネットワークを駆使して相談しながら、自身の抱える課題を特定し、自ら勉強して進めていくか、その課題を解決してくれる業者や専門家に依頼して進めるかを選択せざるを得ない訳です。
自ら勉強して進めるといっても、解決すべき課題が複数となることも多く、結果として考慮要素も多岐にわたるため、自ら勉強して進めた事例では成功確率も下がって後で後悔することになりかねませんので、やはり信頼できる業者や専門家に伴走してもらいながら課題を特定し、解決していく作業が大事ですね。