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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2026.02.02

箱根駅伝(青山学院大学)に学ぶチームビルディング

桑原ブログ

今年の正月、私にとって最も印象深い出来事は、やはり箱根駅伝における青山学院大学の鮮烈な勝利でした。特に黒田朝日選手が、これまでの山登り5区の記録を2分近く短縮するという驚異的な走りで往路を制した場面、そして復路でも選手たちが次々と区間賞の(に近い)走りを重ね、大会新記録で3連覇を成し遂げた姿には、一人の経営者としても深い感銘を受けました。

しかし、ここで注目すべきは、彼らが今シーズンの「大学3大駅伝」である出雲駅伝や全日本大学駅伝では、必ずしも優勝という結果を残せていなかった点です。他大学も猛追する中で、なぜ「箱根」という最大かつ最後の舞台で、彼らはこれほどまで完璧に実力を出し切り、圧倒的な力を発揮できたのでしょうか。その答えを探るべく、今回は近代組織論の父と呼ばれるチェスター・バーナードが提唱した「組織の3要素」という視点から、彼らの強さを考察してみたいと思います。

1 共通の目的―「なぜ箱根なのか」の徹底―
バーナードが挙げる組織の第一の要素は、「共通の目的」です。青山学院大学の強さの根源は、全メンバーが「箱根で勝つ」という目的を、単なるスローガンではなく、自分たちの「存在意義」として深く共有している点にあります。
出雲や全日本での敗北は、決して「実力不足」だったわけではありません。彼らにとってそれらの大会は、箱根という最大の目標に向けた「過程(プロセス)」として位置づけられていました。ピークをあえて1月に設定し、そこから逆算して準備を整える。我々実務家にとっても、これは極めて重要な視点です。

日々の業務に追われると、つい目の前のタスクをこなすことが目的化してしまいがちです。しかし、組織として真に成し遂げたいゴール(例えば、クライアントの人生の再建や、地域社会の法的安定)が明確に共有されていれば、途中の困難や一時的な停滞も、次なる飛躍へのステップとして正しく位置づけることができるのです。

2 貢献意欲―「襷(たすき)」に込める貢献の心―
第二の要素は、メンバー個々人が組織の目的達成のために尽力しようとする「貢献意欲」です。箱根駅伝は、どれだけ一人のエースが突出していたとしても、勝てるものではありません。黒田選手の激走も、それに続く復路のランナーたちが「黒田が作ってくれた流れを絶対に途切れさせない」という強い貢献意欲を持っていたからこそ、大会新記録という結果に繋がりました。
ここで重要なのは、貢献意欲は強制されるものではなく、内発的なものであるという点です。原監督は、選手一人ひとりに「なぜ走るのか」「チームにどう貢献したいのか」などを問いかけ、選手の主体性や自律性を重視することで知られています。

3 コミュニケーション―動的な組織を支える神経系―
そして、上記の二要素(目的と意欲)を繋ぎ、組織として機能させるための接着剤となるのが、第三の要素である「コミュニケーション」です。青山学院大学では、寮生活や日々のミーティングを通じて、極めて密接なコミュニケーションが図られています。原監督の「プレゼン型教育」に代表されるように、自分の考えを言語化し、他者に伝え、互いの役割を調整し合うという、「質」の高い情報のやり取りが行われています。特に今回のような大会新記録での連覇は、レース中の不測の事態に対しても、各選手が「チーム全体の状況」を把握し、瞬時に判断を下せたからこその結果だと考えられます。

バーナードは、これら3つの要素がバランスよく保たれて初めて、組織は存続し続けることができると説きました。青山学院大学の箱根駅伝での快挙は、まさにこの理論の体現であったと感じます。

私たち弁護士法人桑原法律事務所でも、福岡、佐賀、武雄の3拠点が「共通の目的」を持ち、高い「貢献意欲」を維持し、密接な「コミュニケーション」を図ることで、クライアントの皆様にとっての「最強のチーム」であり続けたいと考えています。

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