公開日:2026.04.01
「 共同親権」時代の幕開け・子の利益を最優先にする対話の形
桑原ブログ
福岡市の舞鶴公園、佐賀市の神野公園、武雄市の御船山楽園など、桜の名所では3月末頃には桜が満開を迎え、新年度の始まりを祝福してくれているものと思います。
当事務所でも新たな弁護士やスタッフを迎え入れることができました。志を同じくする仲間が増えることは、代表として何よりの喜びであり、地域社会に対する責任の重さを感じております。
さて令和8年4月1日、日本の家族法にとって歴史的な転換点となる改正民法が施行されました。長年続いてきた「単独親権制」が改められ、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択できる制度がいよいよ動き出しました。この背景には、国際的な潮流や、父親の育児参加の定着といった社会構造の変化があります。
これまで離婚をめぐる紛争の多くは、「どちらが親権を取るか」というゼロサム・ゲームの様相を呈してきました。しかし、今回の法改正は、親の「権利」を争う時代から、子に対する「責任」をどう分担するかを考える時代へのシフトを求めています。
共同親権制度の導入は単なる選択肢の増加を意味するだけではなく、紛争解決のゴールを「勝ち負け」から「関係の再構築」へと変えていく挑戦でもあります。もちろん、DV や虐待がある場合には単独親権が維持されるべきであり、安全の確保が最優先であることは言うまでもありません。しかし、多くの事案において、弁護士が果たすべき役割は、対立を煽ることではなく、建設的な対話が可能な環境を整える「ファシリテーター」としての機能へと変化していくでしょう。
これは組織における「人材育成」の視点にも重なります。かつてのトップダウン型のマネジメントが立ち行かなくなる中で、現代の組織には「多様性を認め、共通のビジョンに向けて協調する力」が求められています。家族でも同様です。異なる価値観を持つ父母が、「子の健やかな成長」のためにどうリソースを出し合うか。感情的対立を前提とした「交渉」ではなく、価値を最大化するための「共創」の意識と、新たな役割分担のマネジメントの視点が大切です。
制度が変われば、社会の空気も徐々に変わっていくことでしょう。しかし、制度はあくまで「器」にすぎません。そこにどのような魂を込めるかは、私たち一人ひとりの手に委ねられています。変化の大きい時代だからこそ、当事務所は地域の皆様にとっての「家族の伴走者」として、新たな制度の下で、子供たちの笑顔を守るための最善の解決を模索し続けます。本年度も、桑原法律事務所をどうぞよろしくお願い申し上げます。

