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  • 遺産相続・高齢者問題

被相続人の預貯金から葬儀費用を捻出した場合,もう相続放棄できないの?

目次CONTENTS

法定単純承認について

相続人は,相続開始の時(死亡時)から,被相続人の権利義務を承継します(民法896条)

相続放棄とは,相続の開始を知った時(通常は死亡時)から,原則3ヶ月以内に家庭裁判所に申述して,被相続人の権利義務を承継しないようにすることです(民法915条)

被相続人の相続財産を処分してしまうと,相続を承認したとして(=法定単純承認民法921条1号),相続放棄できなくなります。

 

相続人は,単純承認したときは,無限に被相続人の権利義務を承継します(民法920条)。
承認の撤回はできません(民法919条)

また,仮に家庭裁判所で相続放棄の申述が受理されても,実は相続放棄に無効原因が存在するという場合は,相続放棄の無効を主張され(最判昭和29年12月24日判決等),被相続人の借金の返済等を求められる可能性もあります。

 

 被相続人の預貯金等から葬儀費用を捻出した場合

では,被相続人の預貯金等の相続財産から葬儀費用を捻出してしまった場合,相続放棄できなくなってしまうのでしょうか?

この点,身分相応の葬儀費用であれば相続財産から支出しても法定単純承認には当たらない,とする裁判例があります(大阪高判平成14年7月3日決定等)

一方で,必要最小限の費用を超えるような場合には,相続放棄できないこととなります。