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公開日:2022.03.22

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交通事故の診断書 | どんな種類がある?提出先や期限は | 弁護士が解説

目次CONTENTS

交通事故にあってケガをした場合、医師に書いてもらった診断書は「どんな種類」があり、「どこに」「いつまでに」出せばよいのでしょうか。交通事故のトラブル解決について豊富な実績がある福岡・佐賀の弁護士法人 桑原法律事務所の弁護士が解説します。
交通事故の診断書

診断書とは:医師が発行

診断書とは、病院の医師が傷病名や検査結果などを記載して発行する文書です。傷病の発生については、医師資格を有する者の診断であることが重要です。

交通事故で必要な診断書は、主に下記があります。

  • 警察への届出用
  • 自賠責保険などへの提出用
  • 後遺障害(ケガが完治せず症状が残った場合)診断書

警察に届け出る診断書は、警察で人身事故の扱いにしてもらうためには基本的に必要となります。

なお、交通事故証明書が物件(物損)事故のままでも、人身事故とできなかった正当理由がある場合など、治療費等保険対応が可能なことはあります。

物損事故での賠償請求について 詳しくはこちら

交通事故の診断書:警察や保険会社に提出

交通事故でケガをした場合、診断書の主な提出先は下記のとおりです。それぞれ必要な記載は異なります

診断書の提出先1:警察

交通事故の提出先

警察に診断書を出す理由は上記で述べたとおり、人身事故扱いにしてもらうためです。

警察用の診断書の形式に決まりはありません。病院の書式でOKです。必要なデータは氏名や住所といった本人の情報のほか、下記になります。

  • 傷病名:むちうち、骨折など
  • 治療にかかる期間:全治〇週間など。なお、診察時の暫定見込に過ぎず、当該期間以上に治療が必要となることも多くあります。

もらえるまでに1~2週間かかる場合もあるので、初診時に作成してもらいましょう。

診断書の提出先2:加害者側の保険会社

交通事故の診断書

加害者側の保険会社に診断書を出すのは、賠償金や慰謝料を請求するためです。

被害者請求とは:被害者が直接、相手の自賠責に請求

被害者が直接、加害者側の自賠責保険(共済)に対して請求する際、自賠責用の診断書・診療報酬明細書等を提出する必要があります。「被害者請求」といいます。

診断書は自賠責保険の書式があり、医師に記入してもらいます。

記載される主な内容は下記です。

  • 傷病名
  • 治療開始日と治ゆ(見込み)日
  • 症状の経過
  • 治療の内容
  • 今後の見通し
  • 主な検査の所見
  • 受傷した部位

被害者請求と一括請求

被害者請求のメリット・デメリット

被害者自身が請求するメリットは、加害者側との示談が成立していなくても、自賠責による賠償金がもらえる点、提出資料を追加できる点などが挙げられます。

被害者請求のデメリットは、被害者自身でいったん治療費を支払う必要性や、煩雑な手続きなどです。

一括対応とは:加害者側の任意保険会社が「窓口」

対応を相手側が任意加入する保険会社に任せることもできます。「一括対応」と呼ばれます。流れは下記になります。

交通事故の診断書

  1. 被害者:治療を受ける
  2. 同上:相手側が任意加入する保険会社に、診断書の取得などに関する同意書を提出する
  3. 任意加入保険会社:自賠責用の診断書を直接、医療機関から取得する
  4. 同上:診断書などをもとに、医療機関に対して治療費を支払う
  5. 同上:診断書などを自賠責に提出2つの保険会社の間で清算

一括対応のメリット・デメリット

一括対応のメリットは手間がかからず、被害者が治療費を直接医療機関に支払う必要がない点です。

デメリットは保険会社が一方的に対応を途中で打ち切ったり、後遺障害の認定の際には、認定の為の十分な資料を提出しなかったりする恐れがある点などが挙げられます。

一括対応の流れ

診断書の提出先3:自身の人身傷害保険会社

自身の任意加入保険会社の人身傷害保険で治療費等を対応する場合についても、人身傷害保険会社に同意書等を提出して、一括対応してもらうこと等ができます。

後遺障害診断書について

「後遺障害診断書」とは、事故のケガが治ったあとも残る後遺症(後遺障害)の内容に特化した診断書です。自賠責保険(共済)や交通事故案件に力を入れている法律事務所でも、書式は手に入ります。

書式をもらったら担当医師に渡して、診断書の作成を依頼します。もともと書式が備え置きされてある病院もあります。

「後遺障害等級認定」の流れについて 詳しくはこちら

診断書の費用相場

診断書の作成にかかる費用を「文書料」といいます。病院によって異なりますが、相場は下記の通りです。

  • 警察への提出用:2000円程度
  • 自賠責保険などへの提出用:3000円程度
  • 後遺障害診断書:5000円程度

警察への提出用など、相手が任意加入する保険会社から支払いを受けられる診断書もありますが、立て替えが必要な場合もあります。医師に診断書の作成を頼む際には現金を持参しましょう。

診断書の提出期限

警察・保険会社に対しても、診断書の提出期限はありませんが、できるだけ早く対応しましょう。

事故直後ではなく数週間後に病院に行くなど、事故日と初診日との間が空いている場合は要注意です。
事故と通院との関係性が不明で人身事故と認められないケースがあります。

桑原法律事務所は交通事故について、初回は無料で相談(30分)を承ります。まずはお気軽にご相談ください。

※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。