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案件別コラム

公開日:2017.11.24

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  • 相続・高齢者問題

遺産分割手続(相続人の確認)

目次CONTENTS

前回は、遺産分割の流れについて解説しました。

 

遺産分割手続の流れ

遺産分割手続きは、大まかに以下のような流れになります。

① 相続人の確認 → ② 遺言書の確認 → ③ 遺産の確認 → ④ 遺産価値の確認 → ⑤ 分割割合を決める → ⑥ 遺産の分け方を決める → ⑦ 書面化

 

今回は、このうち、①「 相続人の確認 」について解説いたします。

 

「被相続人」とは?

簡単に言うと、相続される人、つまり、亡くなった人です。

 

「相続人」とは?

簡単に言うと、相続をする人、つまり、亡くなった人の財産を承継する立場にある人です。

預貯金などのプラスの“ 積極財産 ”のほか、借金などのマイナスの“ 消極財産 ”も承継する点に注意が必要です。

 

相続人となる人

相続人は、民法886条以下に定められています。

1 配偶者

配偶者は、常に相続人となります(890条)

2 配偶者以外

(1)直系卑属(子孫)

まずは、子が相続人となります。

子が既に亡くなっている場合には孫が、孫が既に亡くなっている場合にはひ孫が、ひ孫がすでに亡くなっている場合には玄孫が・・・というように、子孫が相続人となります(代襲相続887条2項、3項)。

(2)直系尊属(祖先)

直系卑属に相続されない場合に、相続人となります。

直系卑属に相続されない場合、まずは親が、親が既に亡くなっている場合には祖父母が、祖父母が既に亡くなっている場合には曾祖父母が・・・というように、祖先が相続人となります(889条1項1号)

(3)兄弟姉妹

直系卑属や直系尊属に相続されない場合に、相続人となります(889条1項2号)

なお、兄弟姉妹については、その兄弟姉妹の子(甥・姪)までが、代襲相続の対象です。
つまり、甥・姪は、直系尊属、直系卑属、兄弟姉妹に相続されない場合、最後に、相続人になります(代襲相続889条2項・887条2項)。

まとめ

大まかに図示すると、相続人は以下のとおりとなります。

・ 配偶者
・ 配偶者以外(順位:(1) 子孫 → (2) 祖先 → (3) 兄弟姉妹 ※甥・姪)

 

 

上記の「相続人」以外に、遺産分割に参加する場合はあるか?

【 被相続人Bの死亡時に、相続人Aが既に亡くなっている場合 】、Aの子が代襲して相続することを「代襲相続」と言い、Aの子が代襲相続人です。

一方で、【 被相続人Bの死亡のに、相続人Aが亡くなった場合 】、「順次相続」と言いますが、“相続人の相続人”という立場で遺産分割に関与することがあります。

順次相続のケース
被相続人Bが死亡した後に、相続人Aが死亡しました。相続人Aには、相続人CDEがいます。
この場合、相続人Aを相続したCDEが、順次相続人として、被相続人Bの遺産分割に参加する資格があります。

 

相続人はどうやって確認するの?

被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を取得する必要があります。
もし相続人漏れがあると、せっかくまとまった遺産分割協議も、のちのち無効だとしてひっくり返る事態になります。

 

遺産分割に参加したくない場合はどうすれば良いの?

1 被相続人に借金の方が多い場合

借金を承継したくない場合には、相続放棄をする必要があります。

相続放棄とは、相続の開始を知った時(通常は死亡時)から、原則3ヶ月以内に家庭裁判所で申述の手続をして、被相続人の権利義務を承継しないようにすることです(915条)。相続放棄をすると、借金を承継しない一方で、プラスの財産(積極財産)も承継しないことになります。

しかし、相続財産を処分してしまうと、相続を承認済みである(法定単純承認)として、放棄できませんので、ご注意下さい(921条1号)。

関連記事:
> 被相続人の預貯金から葬儀費用を捻出した場合、もう相続放棄できないの?

 

2 遺産は要らない、相続争いに巻き込まれたくない、面倒であるなどの理由で遺産分割に参加したくない場合

(1)相続放棄

上記1と同様に、家庭裁判所で相続放棄の申述をする方法があります。

(2)相続分の放棄

相続分の放棄とは、遺産の自己の取り分を権利放棄することです。
「自己の取り分は要らないので、遺産分割には関与しません」ということです。相続放棄と異なり、時期に制限はなく、方式も問われない一方で、借金等の債務の相続を免れることはできません。

(3)相続分の譲渡

相続分の譲渡とは、自己の取り分を特定の相続人に譲ることです。
「自己の取り分はこの人に譲るので、遺産分割には関与しません」ということです。

 

相続放棄するとどうなる?

同順位の相続人のみで遺産分割するか、同順位がいない場合には次順位の人が相続人になります。
相続放棄した場合には、代襲相続は、発生しません。

最後に、具体例で確認しましょう

1 とある男性には、妻子、父母、祖父母がいました。ある日、父が亡くなりました。

(1)父の相続人は、男性(子孫)と母(配偶者)です。

※もし、父が亡くなる前に男性が死亡していた場合、
父の相続人は、子(子孫。代襲相続人)と母(配偶者)です。

※もし、父が亡くなった後に男性が死亡した場合、
父の相続人は、男性(子孫)の順次相続人の妻子と母(配偶者)です。

(2)男性が相続放棄をすれば、父の相続人は、祖父母(祖先)と母(配偶者)です。

※相続放棄の場合には代襲相続は発生しません。

2 とある男性には、妻子、父母、祖父母に加えて、実は弟(父が生前認知していた腹違いの隠し子)もいました。ある日、父が亡くなりました。

(1)父の相続人は、男性(子孫)、弟(子孫)、母(配偶者)です。

※弟を抜きにして遺産分割協議をしても、その合意は無効となります。

(2)男性が相続放棄をすれば、父の相続人は、弟(子孫)と母(配偶者)です。