公開日:2020.03.03 最終更新日:2021.12.22
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自己破産すると財産はどうなる?没収される財産と残せる財産、自由財産の範囲の拡張制度についても解説
【本記事の監修】 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
自己破産したら手持ちの財産はすべて没収されるの?
A. 一定程度以上の財産は没収されますが「すべての」財産ではありません。
自然人(個人)が破産した場合、一定程度以上の財産は破産手続きの中でお金に換えられてしまいます。しかし、それはあくまで一定程度以上の財産であって、すべての財産ではありません。
自己破産すると没収される財産とは?
自己破産をした場合、以下のような財産が没収(差押え)の対象となります。
- 価値のある不動産(土地・マイホームなど)や動産(車・貴金属・骨董品など)
- 99万円を超える現金
- 20万円を超える預貯金や有価証券類
- 生命保険の解約返戻金 など
自己破産をすると家財道具も没収される?
家財道具は、差押禁止財産にあたる場合がほとんどですので、家財道具が没収(差押え)されてお金に換えられることは、基本的にはありません。
破産手続きにおいてお金に換えられる(換価)対象となる破産者の財産のことを破産財団といいますが、この破産財団に差押禁止財産は含まれないためです。
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自己破産をしても残せる財産とは?
それでは、自己破産をしても残せる財産にはどのようなものがあるのでしょうか。当面の生活に必要な範囲の現金や預貯金、家財道具などは処分されませんし、いわゆる住宅ローンがたくさん残っている不動産も、破産手続き内では処分の対象となりません。
また、一定の財産に限り手元に残すことができる「自由財産の範囲の拡張制度」という制度もあります。
自由財産の範囲の拡張制度とは?
破産法は、本来お金に換えないといけない財産のうち一定の財産に限り、これをお金に換えなくていい財産にすること(お金に換えなくていい財産の範囲を拡張すること)を認めています。これを、自由財産の範囲の拡張といいます。
破産手続きにはいくつかの目的がありますが、そのうちの1つに破産者の経済的再生があります。借金から解放することでその人を経済的に生き返らせよう、というものです。
しかし、「破産したものの、手持ちの財産が全くない」という場合に、果たしてその人はその後生活していける(経済的に再生できる)でしょうか。預金もゼロ、車もない、何もない、ということでは、借金がゼロになってもそもそもの生活がままなりません。
自由財産の範囲の拡張制度は、破産者の経済的再生という目的を達成するために、法律で定められている制度なのです。
破産しても残せる財産とは?
自由財産の範囲の拡張制度においては、具体的にどのような財産が残せるのでしょうか。
この点は、各裁判所の運用があり一概にはいえませんが、概ねどこの裁判所でも99万円を下回る財産については、これを自由財産として拡張することを認めてくれます。不動産等はなかなか難しいですが、たとえば、中古の車などは拡張してもらえることが多いです。
自己破産については弁護士に無料相談ができます
自由財産の範囲拡張には込み入った論点もありますので、弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。
当事務所では、自己破産などの借金問題のご相談について、無料のオンライン相談(電話・Web)を実施しております。ご来所でのご相談も、もちろん可能です。お電話・Webで無料相談(初回30分)ができますので、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。
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