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LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2020.04.07

CASE

  • 法律コラム
  • 新型コロナウイルス関連

風邪の症状がある従業員への受診命令は可能?|ワクチン接種を義務化できる?

目次CONTENTS

Q.風邪の症状がある従業員に対し、業務命令として医師の診断を受けさせることはできますか。

A. 裁判例によれば、就業規則に従業員に対して医師への受診を命じることができる旨の規定があり、それが合理的である限り、医師への受診命令は許容される傾向にあります。

他方、そのような就業規則がない場合、業務命令は行えず、要請をすべきことになります。

Q.新型コロナウイルスのワクチン接種を従業員に義務化することはできますか。

A. 現時点(令和3年8月)では、努力義務までが限界と考えられます。

使用者は、労働契約に伴い、労働者(従業員)がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務を負います(安全配慮義務、労働契約法第5条)。

従業員に安全な労働環境を提供する目的で、新型コロナウイルスのワクチン接種を義務化することを検討している会社も出てきているようです。

確かに、会社から感染者が出たときの休業リスクや顧客に対する影響、風評被害等のリスクを考えれば、従業員のワクチン接種の必要性は理解できるところです。しかしながら、ワクチン接種には副反応のリスクもあるところ、これを強制力をもって接種させることは、個人の尊厳、選択の自由を侵害してしまう行為と言えます。

また、仮にワクチン接種により重篤な副反応が出た場合、これを強制した会社側の責任が問われかねません。

したがって、ワクチン接種を義務づけるとしても、強制力を伴わない努力義務にとどめ、ワクチン接種のための特別休暇制度を導入する、接種費用を会社負担とする、といったインセンティブを与える方法が妥当かと思われます。

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※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。