公開日:2021.01.27
- 法律コラム
- 新型コロナウイルス関連
従業員が新型コロナに感染したら社会に公表すべき?どこに報告する?
【本記事の監修】 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
Q.従業員が新型コロナウイルスに感染した場合、社会に公表しないといけないのでしょうか。
A. あらゆる状況で必ず公表する義務があるわけではないと考えられますが、状況に応じ慎重な判断を行うことが必要です。
- 公表による公益の程度(感染した従業員が顧客と接触した程度、濃厚接触者にあたる顧客を特定できる程度などによって変わるでしょう)
- 従業員のプライバシー侵害の程度(職種、地域によっては特定がされてしまうことも想定されます)
などを総合的に考慮する必要があります。
なお、地方自治体によっては、公表を促すところや、公表に対する支援金の制度を設けているところもあり、考慮に入れる必要があります。自社の営業所などがある地方自治体の情報も、ご確認ください。
Q.従業員に新型コロナウイルスの感染者(または濃厚接触者)がでた時、その旨を報告すべき公的機関等はどこでしょうか。
A. 感染の疑いが強い従業員に対しては、帰国者・接触者相談センターやかかりつけ医、地域の相談窓口等にあらかじめ電話で相談するよう助言されるとよいでしょう。
厚生労働省が、各都道府県が公表している、相談・医療に関する情報や受診・相談センターの連絡先をまとめています。
Q.新型コロナウイルスに感染する数週間前の行動歴を、公的機関に報告する義務まではあるのでしょうか。
A. 感染症法上、感染を防止するための必要な協力を行うことは努力義務とされており、法的義務とまではされていません。しかし、感染予防のため、積極的に報告することが期待される局面はあるでしょう。
Q.濃厚接触者とはどのような人を指しますか?
A. 「新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方」とされています。
厚生労働省によれば、濃厚接触者は、「新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方」とされています(令和2年12月24日時点)。
同省によれば、
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者にあたると考えられます。
15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況をお伺いして判断します。
厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-2
などとされています。
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