公開日:2021.03.22 最終更新日:2021.10.26
- 法律コラム
- 一般民事
- 企業法務
公正証書のメリットとデメリット|強制執行の認諾文言とは|弁護士が解説
【本記事の監修】 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
この記事では、公正証書のメリットとデメリットについて弁護士が解説いたします。
「今回の契約書は公正証書で取り交わしておいたほうがいいんでしょうか?」というお問い合わせをいただくことがあります。もちろん、公正証書には、一般の契約書に比べて優れている点があります。
公正証書のメリット:強制執行の認諾文言
公正証書には、「強制執行の認諾文言」というものを盛り込むことができます。
金銭の支払いを求める規定にひも付けて「強制執行の認諾文言」を盛り込んでおくことで、債務者に債務不履行があれば、債権者は訴訟等の手続きを経ずに直ちに強制執行を行うことができます。
これは、公正証書ではない一般の契約書ではできないことです。
なお、一般の契約書で金銭の支払いが約束されており、それが不履行となった場合に強制執行をしようと思うと、債権者はまず訴訟等の手続きを経なければならないため煩雑です。
公正証書のデメリット:スピードと柔軟性
「それなら、どんな契約書も公正証書で取り交わしをしておけばよいのではないか?」と思われるかもしれません。しかし、公正証書にもデメリットはあります。
1. 一般の契約書に比べて作成のスピードが劣る
公正証書の作成は、公証役場にて公証人が作成します。そのため、作成に際してのスピード感は一般の契約書に劣るということはいえるかもしれません。
2. 柔軟性に欠ける
公正証書は公証人が作成することになるためか、何でもかんでも規定できるわけではありません。
実務においても、公証人が書面化に協力してくれない、公証人から公正証書に記載する内容の修正を求められる、といったことがしばしば起こります。
そのため、公正証書は一般の契約書に比べて柔軟性に欠けるということはいえるかもしれません。
公正証書についてのご相談は桑原法律事務所へ
このように、どんな契約書も公正証書で取り交わしをしておけばよい、というわけでもありません。公正証書にすべきか、一般の契約書で十分かは、ケースバイケースです。
迷われる場合は、ご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。
「医療・介護」「飲食・ホテル」「小売・店舗」「保育園」「タクシー」「士業」「不動産」「コンサルタント」「人材サービス」「フィットネス」など30名以下のサービス業に特化した顧問弁護士サービス 月額11,000円でお試し可能!詳しくはこちらをご覧ください > |
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。