公開日:2021.04.13 最終更新日:2022.06.20
CASE
- 法律コラム
- 労働問題(企業側)
管理監督者とは|肩書ではなく実態に即して判断される

【本記事の監修】 福岡の弁護士 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
管理監督者とは
管理監督者(労働基準法41条2号)とは、労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいうと考えられています。
管理監督者該当性は、名称にとらわれず、実態に即して判断されるべきとされています。
管理監督者に該当する場合、労働時間、休憩、休日に関する労働基準法上の規定が適用されませんので、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の支払義務(労働基準法37条1項)がなくなるという重大な効果があります。
管理監督者該当性の判断基準
事案により判断基準は異なりますが、概ね以下の観点が重要な判断基準となります。
- 職務内容、権限及び責任の重要性
- 勤務態様(労働時間の裁量・労働時間管理の有無、程度)
- 賃金等の待遇
管理監督者該当性は、肩書にとらわれず、多くの考慮要素を複合的に考慮し、事案に応じた個別的な判断をする必要があります。
Q.プロジェクトリーダーを管理監督者と扱ってよいでしょうか?
A. プロジェクトリーダーという肩書だけで管理監督者と扱うことはできません。
前述のとおり、管理監督者該当性は、職務の内容、権限、責任、勤務態様等に関する実態に基づき、個別具体的に判断されます。
管理監督者に対しては、割増賃金の支払義務がなくなることから、労働者、会社双方にとって、非常に重要な問題です。
安易に労働者を管理監督者と扱うことは、未払い残業代の請求など、後々重大な問題を引き起こす可能性がありますので、避けるべきでしょう。
管理監督者該当性に関し、疑義がある場合は、まずは弁護士にご相談ください。
参考:[改訂版]企業のための労働契約の法律相談/青林書院/下井隆史,松下守男,渡邊徹,木村一成[編]
労働関係訴訟の実務[第2版]/商事法務/白石哲 編著
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※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。