公開日:2017.06.07
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マイナンバー制度について気を付けておくべきことは?
【本記事の監修】 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
「マイナンバー」とは、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報が、同一人の情報であることを確認するために活用される個人番号のことです。
「公平・公正な社会の実現」「行政の効率化」「国民の利便性の向上」を目的とするものとされ、住民票を有する全ての個人に対して12桁のマイナンバーが指定されます。一度指定されたマイナンバーは、原則、一生涯変わりません。
マイナンバー制度導入に伴い個人情報保護法が強化
マイナンバー制度の導入に伴い、全事業者が個人情報保護法の規制対象となるなど、個人情報保護法の規制が強化されました。
マイナンバーは、社会保障(年金、雇用保険、医療保険、生活保護、児童手当の手続等)、税務(確定申告等)に用いられます。
基本的には、マイナンバーの提供が必要な機関は以下などです。
- 行政機関
- 税や社会保険等の手続を代わりに行っている勤務先
すでにマイナンバー制度が施行されている先進国で、マイナンバーを悪用した犯罪の発生(他人への成りすまし等)も多数報告されており、日本でも、法に定められている場合以外は、個人的に他人(自己と別世帯の者)のマイナンバーの提供を求めたり、収集したり、保管したりすることが、たとえ本人の同意がある場合であっても禁止されています。
マイナンバーの注意点:漏洩したら刑事罰・損害賠償の可能性も
マイナンバーを管理する企業等も、それを漏洩してしまった場合、懲役・罰金の刑事罰、民事上の損害賠償の可能性があります。
個人も企業も、悪用リスク・漏洩リスクを抱えているため、慎重な管理を心掛けることになります。
注意点1:住民票を取得・提出する場合
例えば、住民票には、申請者の希望によりマイナンバーが記載されることになっています。他人に住民票を提出しようとしている方は、安易に全事項が記載されている住民票を取得して、マイナンバー情報を渡してしまわないように注意する必要があります。
注意点2:住民票の提供を求める場合
住民票の提出を受ける側としても、マイナンバーが記載されていないかどうかの確認とその漏洩防止に注意しなければなりません。
新たにマイナンバーの提供を求める企業側は、その人のマイナンバーなのかどうかを確認するため、運転免許証等の提示もあわせて行うことが無難です。
注意点3:マイナンバーを管理する場合
従業員のマイナンバーについて、管理者を決めずに不必要に多くの者が見ることのできる場所に置いておくこと、パスワード等もかけずにエクセルデータでパソコンに保存管理しておくことなどは、漏洩リスクですので、避けましょう。
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