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LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2022.05.27 最終更新日:2022.09.22

CASE

  • 企業法務

改正特定商取引法が施行|EC事業者は対応を|弁護士が解説

目次CONTENTS

通信販売における規制強化などを定めた改正特定商取引法が2022年6月、施行されました。改正について、企業法務を手掛ける福岡・佐賀の弁護士法人 桑原法律事務所の弁護士が解説します。

Q. 今回の改正のポイントは?

A. 主なものとしては、通信販売における規制強化(表示の義務付けや取り消し権の新設)やクーリングオフの電子化などです。

消費者庁によると、「初回無料」「お試し」などと謳いながら、実は定期購入が条件だったなどのトラブルが増えています。1回しか注文した覚えがないのに2回目が届いたり、途中で解約できなかったりするケースです。

今回の法改正では、悪質な通販業者から消費者を守る狙いもあります。

消費者庁では「誤認のおそれのある表示」として、下記のような例を挙げています。

  • 「お試し」「トライアル」などの表示は目立つのに、定期購入については小さな文字か、申し込みが確定したボタンの下など離れた場所に記されている
  • 最終確認画面に、定期購入であることの表示がない
    など

表示規定の新設:6項目を明示

Electronic Commerce(EC)

紙のチラシやカタログであれば「申し込み用紙」で、ネットショップであればカートシステムの「最終確認画面」で詳しい内容の表示が義務付けられました。

表示が求められるのは、下記の6項目です。

  1. 分量
    商品の数量、役務の提供回数、期間等を表示する。
    ・定期購入の場合は、各回の分量+総分量(引き渡しの回数)
    ・サブスクリプションの場合は、役務の提供期間+期間内に利用可能な回数
    ・「無期限」や「自動更新」である場合は、その旨も明記
  2. 販売価格・対価
    個々の商品の販売価格に加え、複数商品を購入する場合等は支払総額も表示する。
    ・定期購入の場合は、各回の代金+代金の総額
    ・サブスクリプションで「お試し無料」から有料に自動で移行するような場合は、移行時期と支払金額
  3. 支払いの時期・方法
    定期購入の場合は、各回の代金の支払時期を表示する。
  4. 引き渡しや提供の時期
    定期購入の場合は、各回の商品の引渡時期を表示する。
  5. 申し込み期間(期限のある場合)
    季節商品や期間限定販売など、販売期間がある場合は、その申込期限を明示する。
  6. 申込みの撤回・解除に関する事項
    返品や解約のための方法や連絡先、返品や解約の条件等について、見つけやすい位置に表示する。
    ・定期購入契約などで解約の申出に期限がある場合は、その期限を表示
    ・違約金その他の不利益が生じる場合は、その旨およびその内容
    ・電話で解約を受け付ける場合は、確実につながる番号を掲載

不実告知の禁止

通信販売に係る契約の申込みの撤回・解除を妨げるために、以下のような不実のことを告げる行為が禁止されました。

  • 申込みの撤回・解除に関する事項
  • 契約の締結を必要とする事情に関する事項

例えば、申し込んだ人が契約をキャンセルしたいのに、事実に反して「定期購入になっているので残りの代金を払わなければ解約できない」「いま止めると逆効果になる」などと告げる行為が禁じられました。

取消権を新設

取り消しのイメージ

今回の改正では、通信販売の表示を誤認して購入した場合、後から取り消しが可能になりました。下記のようなケースです。

  • 不実の表示:表示が事実であると誤認させる表示
  • 表示しない:表示のない事項が存在しないと誤認させる表示
  • 申し込みについて誤認させる表示:「送信する」「次へ」といった表示しかなく、「情報の送信=申し込み」と分かりにくい表示
  • 表示事項(分量や価格など)について誤認させる表示

改正について 消費者庁による概要はこちら

Q.罰則はあるのですか?

A. 表示に違反があったり、不実の告知があった場合には、罰金刑や懲役刑の対象となります。主な内容は下記のとおりです。

  • 誤認させる表示のうち「不実の表示」「表示しない」
    ・個人:3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり)
    ・法人:1億円以下の罰金
  • 「申し込みについて誤認させる表示」「分量や価格などを誤認させる表示」
    ・個人・法人共:100万円以下の罰金
  • 「不実告知」
    ・個人:3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり)
    ・法人:1億円以下の罰金

クーリング・オフの電子化

キャンセルの画像

クーリング・オフとは、契約を申し込み・締結した後でも、一定の期間であれば無条件で申し込みを撤回・解除できる制度です。

これまで、クーリング・オフを行う際には、書面により行うこととされていましたが、メールや専用フォームなどの電磁的記録によっても、クーリング・オフを行うことができるようになりました。

事業者が対応すべきことは?

通販事業者の場合

オンライン・オフラインを問わず、通信販売をしている業者は下記を確認しましょう。

  • 申し込み用紙や最終確認画面の表示を確認し、適切な表示を行いましょう。
    • 法で定められた6項目を適切に表示する
    • 「お試し無料」「初回○%オフ」といった表示だけではなく、有料の申し込みである旨を明確に表示する
    • 文字のサイズや色、表示位置が適切か。明確に認識できるか

通販サイトのイメージ

通販以外で特定商取引法が対象となる事業者の場合

通信販売以外で特定商取引法が対象となる事業者は、下記などです。

  • 訪問販売
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引:いわゆるマルチ商法
  • 特定継続的役務提供:エステティックサロン、美容医療、学習塾、語学教室、パソコン教室、家庭教師、結婚相手紹介サービスの7つの役務が対象
  • 業務提供誘引販売取引:内職商法やサイドビジネス商法など
  • 訪問購入:不用品の訪問買い取りなど

上記の業者は、下記について確認しましょう。

  • 契約書面等に「書面または電磁的記録により」クーリング・オフが可能であることを表示しましょう
  • 可能な範囲で電磁的記録によるクーリング・オフの受付に対応しましょう
  • クーリング・オフの方法は、一方的に不合理な方法に限定しないようにしましょう

改正特定商取引法への対策や、顧客への対応・トラブルでお悩みの場合は、当事務所の弁護士にご相談ください。

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