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法律コラム

公開日:2022.05.27

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  • 企業法務

改正特定商取引法が施行 | EC事業者は「最終画面」対応を | 弁護士が解説

目次CONTENTS

通信販売などに対する規制を定めた改正特定商取引法が2022年6月、施行されました。実は条件があるのに「お試し無料」とうたうような表示は禁止されました。EC業者には「最終確認画面」で、誤認を生まない表示を求めています。改正について、企業法務に精通する福岡・佐賀の弁護士法人 桑原法律事務所の弁護士が解説します。

Q. 改正のポイントは?

A. 表示の義務付け取り消し権の新設、クーリングオフの電子化などです。

消費者庁によると「初回無料」「お試し」などとうたいながら、実は定期購入が条件だったというトラブルが増えています。

注文した覚えがないのに2回目が届いたり、途中で解約できなかったりする事例です。今回の法改正は悪質な通販業者から消費者を守る狙いです。

消費者庁では「誤認のおそれのある表示」として、下記のような例を挙げています。

  • 「お試し」「トライアル」などは目立つのに、定期購入については小さな文字か、申し込みが確定したボタンの下など離れた場所に記されている
  • 最終画面に定期購入についての案内がない

表示規定の新設:6項目を明示

紙のチラシやカタログであれば「申し込み用紙」で、ネットショップであればカートシステムの「最終確認画面」で詳しい内容の表記が義務付けられました。

表示が求められるのは、下記の6項目です。

  1. 分量:数量・回数・期間を表示。定期購入・サブスクリプションの場合で「無期限」や「自動更新」ならその旨も明記
  2. 販売価格・対価:個々の商品の価格に加え、複数商品を購入する場合等は支払総額も表示
    ・定期購入の場合は、各回の代金+代金の総額
    ・サブスクで「お試し無料」から有料に自動で移行する場合は、移行時期と支払額
  3. 支払いの時期・方法:サブスクなら各回の代金の支払い時期
  4. 引き渡しや提供の時期:各回の商品の引渡時期。サブスクなら次回分の発送時期なども表示
  5. 申し込み期間:季節商品、期間限定など販売期間がある場合は明示
  6. キャンセル返品や解約するための条件、連絡先や方法を見つけやすい位置に表示。電話で解約を受け付ける場合、確実につながる番号の掲載。サブスクで解約の申し出に期限がある場合、その期限を表示

不実告知の禁止

申し込んだ人が契約をキャンセルしたいのに、「残りの代金を払わなければ解約できない」「いま止めると逆効果になる」などと事実に反する(不実)ことを告げる行為が禁じられました。

取消権を新設

今回の改正では通信販売の表示を誤認して購入した場合、後から取り消しが可能になりました。下記のようなケースです。

  • 不実の表示:表示が事実であると誤認させる表示
  • 表示しない:表示のない情報が存在しないと誤認させる表示
  • 申し込みについて誤認させる表示:「送信する」「次へ」といった表示しかなく、「情報の送信=申し込み」と分かりにくい表示
  • 分量や価格などを誤認させる表示

改正について 消費者庁による概要はこちら

Q.罰則はあるのですか?

A.
罰金刑や懲役刑が新設されました。主な内容は下記になります。

  • 誤認させる表示のうち「不実の表示」「表示しない」:個人は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金(併科あり=2つ以上の刑罰を同時に課すこと)
  • 「申し込みについて誤認させる表示」「分量や価格などを誤認させる表示」:100万円以下の罰金(個人・法人とも)
  • 「不実告知」:個人は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金(併科あり)

クーリング・オフの電子化も

クーリング・オフとは契約を申し込んだ後、一定の期間であれば無条件で申し込みを撤回・解除できる制度です。

いままでは書面だけでしたが、メールやオンラインでの通知でも、クーリング・オフが認められるようになりました。

すべきことを確認しましょう

通販事業者向け

オンライン・オフラインを問わず、通信販売をしている業者は下記を確認しましょう。

  • 申し込み用紙や最終確認画面の表示を確認しましょう
  • 法で定められた6項目を適切に表示しましょう
  • 「お試し無料」「初回〇%オフ」といった表示だけではなく、有料の申し込みである旨を明確に記しましょう
  • 文字の大きさや色、表示の場所が消費者の目につきやすいか確認しましょう

通販以外で特定商取引法が対象となる事業者向け

通信販売以外で特定商取引法が対象となる事業者とは、下記などです。

  • 訪問販売
  • 電話勧誘による販売
  • 連鎖販売取引:いわゆる「マルチ商法」
  • 特定継続的役務提供:エステティックサロン、語学教室など
  • 業務提供誘引販売取引:「浄水器を買ってアンケートに答えればモニター料を払います」など
  • 訪問購入:「不用品買い取り」など

上記の業者は下記を確認しましょう。

  • 契約書面に「書面または電磁的記録により」クーリング・オフが可能であると記載しましょう
  • クーリング・オフの電子化に対応しましょう
  • 一方的に不合理な方法に限定しないようにしましょう

顧客への対応やトラブルでお悩みであれば、ぜひ弁護士にご相談ください。

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