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法律コラム

公開日:2022.09.13

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相続人が新型コロナに感染した場合の、相続手続への影響

目次CONTENTS

新型コロナの感染拡大によって、私たちの社会生活のいたるところに影響が出ていますが、今回は相続手続への影響について説明します。相続手続には「期間」「期限」が付いてくるものがあり、特に以下の手続には気をつける必要があります。

相続放棄等の熟慮期間について

相続放棄

被相続人が亡くなると、相続人は被相続人の財産を承継することになります。承継する財産は預金や不動産といったプラスの財産だけではなく、借金等の負債も含まれます。

被相続人に負債がある等の理由で相続をしたくない相続人は、相続放棄の手続をとることができます。相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内(これを「熟慮期間」といいます)に家庭裁判所に申し立てる必要があります。この期間を過ぎてしまうと、相続した(これを「単純承認」といいます)ものとみなされます。

しかし、親族が亡くなったことによって自分が相続人になったことを知ったものの、新型コロナに感染する等によって、単純承認するのか、相続放棄するのかを検討できないまま、3か月の熟慮期間が過ぎてしまう可能性があります。

相続放棄の手続をするには、市町村から戸籍を取得する必要があり、相応の労力がかかります。

民法には、この3か月の熟慮期間を延長することができる旨が定められています。実務では、さらに数か月延長することができます。期間を延長させることで、被相続人の財産調査をする時間に充てることもできます。

申告等の期限の個別延長について

相続税の申告書

被相続人が亡くなると、4か月以内に被相続人の準確定申告(相続人が被相続人に代わって行います)、10か月以内に相続税の申告を行う必要があります。

しかし、相続人や担当する税理士が新型コロナに感染する等によって、期限までに申告等ができない可能性があります。

このようにやむを得ない理由によって、期限までに申告等ができない場合、税務署長に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を申請し、その承認を受けることができれば、やむを得ない理由が止んだ日から2か月以内の範囲で期限延長が認められます。

※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。