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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2020.04.25

「止血→治癒→再構築」のフレームワーク

桑原ブログ

1月中国武漢での感染拡大に始まり、2月上旬のダイヤモンド・プリンセス号での集団感染発生、ライブハウスでのクラスターの発生、北海道知事による緊急事態宣言、安部首相による突然の休校要請とその後の混乱、自粛疲れによる3月連休時の気の緩み、都市部を中心に感染者が激増、緊急事態宣言とその後の国と自治体間の混乱、未だに感染者0を維持している岩手県(本原稿執筆時4月17日現在)など、世の中には新型コロナウィルスに関連する情報があふれています。

さて有事においては、氾濫する情報に流されることなく、情報を取捨選択して、自主的に意思決定していかなければなりませんが、事業再生でも使われる「止血→治癒→再構築」のフレームワークを活用しますと、短期的だけでなく、中長期視点で思考を深めることができると思います。以下、少し具体的に考えてみましょう。

 

まず、止血のステージから。この段階では、事業がマイナスに進んでおり、極論として破綻するおそれもあります。

コロナ拡大によって売上の見通しが全く立たない場合とか、緊急事態宣言下で休業要請を受けたような場合です。事業を一時的に休止すべきか、従業員を休ませるべきか、当面のキャッシュを確保するために補助金や給付金を確保できないか、固定費削減の余地はないか、など、短期的視野で生存戦略を立て、迅速に打ち手を展開していくべきステージです。

 

次に考えるべきは、治癒のステージです。この段階では、事業がマイナスに進んでいく危機は脱したものの、コロナショック前のような需要は未だ回復していない時期における戦略です。事業をいつ再開させたり、従業員を休業状態から復帰させたり、従業員向け研修を充実させたり、需要回復のタイミングを見計らってマーケティング施策やオペレーション構築したりなど、中期的視野で戦っていける組織作りを行っていくステージです。

 

最後に、再構築のステージです。この段階では、コロナウィルスは概ね収束し、需要についても回復していますが、コロナショック前と同じレベルで回復しているかどうかは業界によるばらつきが出ていることでしょう。コロナショックで顕在化した売上激減の事態に対して、なぜ自分の属する業界に売上激減という事象が発生したのか、自分の属する事業はそもそもいかなるニーズを叶える業界だったのかを深掘りし、長期的視野で、次のリスク発生時に備え、新規事業を創造したり、イノベーションを模索したりする、種まきを考えるステージです。

 

この厳しい時代を耐え抜き、いつかは終息するであろうアフターコロナの世界を想像し、今できることを積極的に打ち立ててまいりましょう。

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