公開日:2020.11.20
弁護士による「卒婚」サポートサービス
桑原ブログ
「卒婚」という言葉をご存知ですか?
卒婚とは、法律用語ではありません。一般的には、通常の夫婦のあり方を卒業して、夫婦が婚姻関係を維持しながら、新しい夫婦のあり方を構築することを言います。
コロナ禍の時代、外出制限やテレワークの増加など、様々な生活環境の劇的な変化が生じる中で、夫婦の関係も、以前よりも会話が増えて仲良くなったなどプラスの影響もあれば、嫌なところが以前にも増して目につくようになったとか、DVやハラスメントの被害がエスカレートしたなどマイナスの影響が出てきたご夫婦もおられることでしょう。
夫婦関係が険悪になり始めた場合に、夫婦間の話し合いで円満によりを戻していくということは実際難しいものです。険悪になり始めると、今までであれば、喧嘩が増え、お互いが口を聞かない(無視)ことが多くなり、そのうち別居へ、ついには離婚へと突き進んでしまうご夫婦が多かったのではないでしょうか。
「卒婚」というのは、離婚へと突き進んでしまう前に、別居のような冷たい関係ではない形で、夫婦の関係を再定義するオプションとして、ここ数年、社会的に認知され始めています。
卒婚のメリット・デメリット
「卒婚」を選択するメリットとして、法律上他人とはなりませんので、生活費の請求権や将来の相続権など配偶者としての権利は失われません。離婚と異なり精神的負担やコスト面の負担も少なく夫婦のあり方を再設定することができ、世間体も保てます。また、別居と比べても、精神的負担は少ないですし、仲が良くなる可能性も秘めています。
他方で、「卒婚」のデメリットとして、「卒婚」ルールの定め方によってはそれ自体が新たな紛争の火種となるリスクもありますし、夫婦間の契約はいつでも取り消せるという条文(民法754条)があるため、夫婦で話し合って何らかの「卒婚契約書」を残したとしても、それが法的に有効か判然としない曖昧さが残る点は否めません。
当事務所も、この数年、離婚問題を注力分野と定め、クライアントの皆様からの離婚案件の解決に尽力してきましたが、離婚を決める前のご夫婦に対してもあるべき夫婦のあり方をご提案・構築していくサービスとして、「卒婚」サポートサービスを提供させて頂くこととしました。