公開日:2020.12.28
氷山モデル
桑原ブログ
『組織は「トップの器」以上に大きくなることはあり得ない。』
という言葉は、私自身、何年も前から意識し、まずは自分に厳しく、デッドラインを常に設定して業務に励み、法人の代表として、また弁護士業界や社会人の一員として、意識し実践するよう励んでいます。
この考え方は、企業のトップ経営者にのみ当てはまる概念ではなく、組織の下部組織(支店だったり、部・課・班・チームだったり)にも当然当てはまるものです。中間管理職の人たちにも、自分の所管する部門が達成できるレベルは、「自分の器」によって大きく制限されてしまうという意識を常に抱いて、自らを律し、「自分の器」を広げる努力をしてほしいものです。
しかしながら、企業の代表が求める「器」と、中間管理職が目指している「器」、また配下の従業員らが代表や中間管理職に求める「器」は、それぞれ一致しているとは限らず、これらのずれが大きいと組織内に不協和音が生じ、成長軌道に乗りきれないことになりかねません。相互にコミュニケーションを取り、お互いが求める「器」の広さや深さを確認し合うことが、組織成長のためには不可欠です。
これと関連したリーダーシップ論の1つに、「氷山モデル」という考え方があります。これは、海に浮かぶ氷山が、海面下に塊(氷塊)があって、その上の一部分だけが海上に出ている場面をイメージしてもらいたいのですが、地上からは海上の氷山部分しか見えていない(海中の氷塊は見えていない)、ということです。
具体的には、本人が主観的にどんな高い志を有し、高いスキルを身に着けていたとしても、本人の発言や態度にその高い志や高いスキルが体現されない限り、第三者から評価されることはない、という話です。志やスキルが海中の氷塊、本人の発言や態度が海上の氷山(見える)部分ですね。
「トップの器」を磨くためには、まずはコアな部分として、海中にある氷塊、つまり志や様々なビジネススキルを磨き続け、高めなければなりません。この部分のレベルが低い(氷塊が小さい)場合、「トップの器」自体が小さいものになってしまいます。
しかし、氷塊を大きくするだけでは足りません。リーダーシップを発揮するには、第三者から見える海上の氷山部分、つまり本人の発言や態度自体が、第三者から評価されるようにならなければいけないのです。
自分磨きの旅は永遠に終わりません。
これが限界と思ったときから劣化が始まると肝に銘じておきたいものです。