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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2021.04.25

同性婚・同性カップルに関する判決について

桑原ブログ

ウィズコロナ2年目の新年度が始まりました。

WEB 会議やオンラインでの手続きの完結等はスタンダードになりつつありますが、他方でリモートワークやWEB 飲み会などは必ずしもスタンダードとはならず、改めて「リアルの価値」を再認識している方も多いのではないでしょうか。

さて3月は、同性婚や同性カップルに関して、いくつかの判決に関する報道がありました。

1つ目は、札幌地裁令和3 年3 月17 日の判決で、民法や戸籍法において、同性同士の結婚が認められていないのは憲法違反だとして、100 万円の国家賠償を求めた訴訟で、裁判所は現行法の規定が法の下の平等を定めた憲法14 条に違反することを認めました(ただし、国家賠償法上は違法ではないとして、賠償義務は認めませんでした)。

2つ目は、東京地裁令和3 年2 月16 日の判決で、妻と不倫した女性に対し、夫が550 万円の損害賠償を求めた訴訟で、同性同士の不倫関係も「不貞行為に当たる」として、女性に慰謝料など11 万円の支払いを命じました。

3つ目は、同性事実婚のカップルが一方の浮気を原因として破たんした事案で、第1審の令和1 年9 月18 日宇都宮地裁真岡支部も第2審の令和2 年3 月4 日東京高裁も、被告に対して、慰謝料100 万円と弁護士費用10万円の損害賠償を認めた訴訟で、最高裁が令和3 年3 月17 日に上告を退ける決定をしたことで、第2審の判決が確定しました。

裁判所は、同居期間が7年にわたること、同性婚が認められているアメリカの州で婚姻手続きを取っていること、結婚式や披露宴も挙げていること、人工授精による子作り・子育てに向けた協力もしていたことなどの事実を認定した上で、2人が「男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合としての婚姻に準ずる関係にあ」り、「法律上保護される利益を有する」として、被告の浮気を不法行為と認定しました。

同性婚を合法とする国も増えている中、日本での法整備は必ずしも進んでいませんが、これら一連の判決によって、議論が活性化し、適切な立法措置が採られることを期待したいところです。

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