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COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2022.09.08

無断駐車への法的対応とは

桑原ブログ

朝や夕方、涼しさを感じる季節となってきました。

新型コロナの感染拡大傾向が継続する中、様々なルール改定がようやく本格的に議論され始めたところであり、縦割り行政の弊害と、調整やバランスを重視してしまう日本の文化などの悪影響を感じざるを得ません。

こうした日本の風土や文化は、国土の地理的条件と歴史に紐付いているとも言われますが、少しずつよりよい文化を構築していくことも我々国民の責務であると考えて、行動していきたいと思っています。

さて、話をがらりと変えましょう。店舗等を運営されている方からたまに寄せられる話ですが、自店舗の駐車場にたびたび無断駐車をされて困っている、という相談があります。

当然、その駐車場はその店舗の利用者のために開放されていますので、店舗の利用目的なく無断で駐車をすることは、不法占拠となります。この場合、刑事的には、威力業務妨害罪(刑法134 条「3 年以下の懲役又は50 万円以下の罰金」)が成立する可能性があります。

今年3月には、コインパーキングに駐車して料金を踏み倒す行為を繰り返した人物が、威力業妨害罪で警察に逮捕され、その後罰金刑に処せられたとの報道がありました。また、今年5月には、同じくコインパーキングで駐車車両を9年間放置していた人物が、威力業務妨害罪で逮捕されたとの報道もありました(こちらの事件では、示談が成立したのか事情は不明ですが、不起訴となった
ようです)。

理論的には、コインパーキングではなく自社店舗の駐車場であっても、また単発の駐車であっても、同じく威力業務妨害罪が成立する可能性はありますが、警察がそう簡単には対応してくれないという壁を乗り越えなければなりません。

では、民事的にはどう考えられるでしょうか。無断駐車に基づく損害賠償請求をすることはできます(損害額の立証のハードルはあります)し、無断駐車を解消するための車両の立退請求などもできます。

他方で、レッカー業者に頼んでどこかに移動してもらうことは、いわゆる自力救済の禁止法理が働いて違法となる可能性がありますので、注意が必要です(これを、今の法制度の下で違法と解釈する考え方自体、個人的には違和感があり、立法的に解決して欲しいところです)。

また、損害賠償請求権を保全するために、車両の留置権(民法295 条)を行使して、当該車両を店舗側の占有下に置いて、違反者が損害賠償を履行するまで車を返さないという打ち手も理論上は考えうるところです。名古屋高裁H14.6.28 判決や最高裁H18.10.27 決定などが、この理屈を認めています。

実際は、無断駐車が1回だけなのか繰り返されているのか、駐車時間の長短、現場の状況等の事情によって、結論は変わってきます。素人判断で強行的なことはしない方が無難なので、弁護士にきちんと相談しましょう。

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