MENU
お問合せ

COLUMN

弁護士のコラム

公開日:2023.06.26

面会交流裁判の発展と、孫の祖父母に対する扶養料請求

法律コラム

司法の業界でも、業界内での流行り廃りがあります。
平成10年代は自己破産、平成20年代は過払金、最近では人身交通事故や肝炎紛争のほか、相続や離婚など親族間トラブルに注力する事務所が増えています。結果、ここ10数年で、相続法や親族法に関する新判例も多く出されるようになりました。著名判例が出ると、その論点にまつわる分野の事件の需要が弁護士業界によって掘り起こされ、ますます当該分野での付随する新判例も増えていく、という傾向があります。

例えば、親子間の面会交流の不当拒絶に対して、間接強制を命じた平成25年3月28日の最高裁決定以降、家庭裁判所での面会交流事件は大幅に増加し始めました。もめた夫婦間における親子間の面会交流のあり方についても、従来型の直接的面会交流だけではなく、手紙・電話・ウェブなどの新しい面会交流手法や、第三者機関での職員立会での面会交流、学校行事等の参加、プレゼントの可否、元夫婦間の連絡方法のあり方等、裁判所が様々な論点で新しい規範を定めるようになりました。

業界内で全く流行っていない事件類型については、依頼人代理人として、依頼人の切実な具体的ニーズを示して判断の必要性・相当性を裁判官に示しても、多くの裁判官が、そんな判例を見たことがないと言って、新しい判断に及び腰です。
だからと言ってあきらめてしまっては、新しい判断も得られなくなってしまうので、まずは当事者に最も近い位置にいる我々弁護士が、先例のない分野に果敢に挑戦し、取り組んでいかなければなりません。

当事務所でも、業界内では全く流行っていない、夫婦間の同居請求・協力請求であるとか、孫の祖父母に対する扶養料請求などにここ数年取り組んできましたが、先日、孫の祖父母に対する扶養料請求事件において、画期的な判断をいただき、元配偶者からは長年滞納状態だった養育費に関して、元配偶者の親(つまり養育している子の祖父母)から扶養料という名目で回収することに成功しました。
養育費紛争における当事者の本質的ニーズは、誰からでもよいので生活費を保証してほしい、ということにあります。であれば、養育費を踏み倒す比較的若い元配偶者をターゲットとはせずに、収入や資力が十分ありかつ良識ある祖父母をターゲットにした方が、回収可能性も高い訳です。
相談者の具体的ウォンツである「元配偶者に対する養育費の請求」ではなく、生活費の保証というニーズに焦点を当て、「祖父母に対する扶養料の請求」を提案し、ご依頼を受けることで、うまくいった訳です。
皆様の会社でも、具体的ウォンツに引っ張られて製品やサービスの軸が定まらないような場合には、視野を広げて根源的なニーズに焦点を当てることで、画期的製品やサービスの開発を目指してみませんか。

ご相談から解決まで、
高い満足度をお約束。

ご相談から解決まで、高い満足度をお約束。

最初にご相談いただくときから、問題が解決するまで、依頼者様の高い満足度をお約束します。
そのために、私たちは、専門性・交渉力(強さ)×接遇・対応力(優しさ)の両面を高める努力をしています。