MENU
お問合せ

CASES

法律コラム

公開日:2020.10.14

CASE

  • 企業法務

取締役会の決議事項とは?

目次CONTENTS

Q.取締役会では、どのような事項について決議すべきでしょうか。

A. 取締役会で決議すべき事項は、会社法362条4項や、その他会社法等の個別の条文で定められています。

取締役会で決議すべき事項は、会社法362条4項や、その他会社法等の個別の条文で定められており、これらの事項は必ず取締役会の決議を経なければなりません。

取締役会決議が必要な事項について、取締役会決議を経ずに代表取締役等により行われた場合は、当該行為も無効になってしまう可能性があります。

取締役会ではどのような事項について決議すべき?

1 会社法362条4項

会社法362条4項では、取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができないとしています。

  1. 重要な財産の処分及び譲受け
  2. 多額の借財
  3. 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
  4. 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
  5. 社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
  6. 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
  7. 定款の定めに基づく役員及び会計監査人の会社に対する損害賠償責任の免除

2 その他の会社法上の個別の条文

会社法362条4項以外にも、取締役会で決議すべき事項は、個別に定められています。

具体的には、下記のような事項があります。

  1. 要綱を定款で定めた種類株式の内容の決定(会社法108条3項)
  2. 譲渡制限株式・譲渡制限新株予約権の譲渡承認等(会社法139条1項・140条5項・265条1項)
  3. 自己株式の取得価格等の決定・子会社からの取得・市場取引等による取得・消却(会社法157条2項163条・165条2項・178条2項)
  4. 取得条項付株式の取得(会社法168条1項)
  5. 株式の分割・株式無償割当て(会社法183条2項・186条3項)
  6. 所在不明株主の株式の競売等(会社法197条4項)
  7. 公開会社における募集株式・新株予約権の募集事項の決定等(会社法201条1項・202条3項2号3号・204条2項・240条1項・241条3項2号3号・243条2項)
  8. 株式を振替制度の取扱い対象とすることへの同意(社債、株式等の振替に関する法律128条2項)
  9. 総会の招集の決定(会社法298条4項・325条)
  10. 代表取締役の選定(会社法362条2項3号・3項)
  11. 監査役設置会社以外における取締役・会社間の訴訟の会社代表者の決定(会社法364条)
  12. 取締役の競業取引・利益相反取引の承認(会社法365条1項)
  13. 計算書類・事業報告・附属明細書の承認(会社法436条3項)
  14. 株式の発行と同時に行う資本金・準備金の額の減少(会社法447条3項・448条3項)
  15. 中間配当(会社法454条5項)
  16. 会計監査人設置会社・取締役の任期が一年などの要件を満たす会社における剰余金の配当(会社法459条1項)

3 取締役会の決定なしに行われた行為の効力

取締役会決議が必要な事項について、取締役会決議を経ずに代表取締役等により行われた場合は、当該行為も無効になってしまう可能性があります。

判例では、「取締役会決議を書いた重要財産の処分行為につき、原則として有効であるが、相手方が決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときは無効である」としています(最判昭和40年9月22日)

取締役会決議が必要な事項について、取締役会の決定なしに行った場合、その行為の効力まで否定され、トラブルに発展する可能性があります。また、今回は、取締役会決議が必要な事項について解説しましたが、取締役会決議では足りず、株主総会決議が必要な事項もあります。

取締役会決議や株主総会決議で、それぞれ何を決定すればよいか判断に迷われた際には、弁護士にご相談ください。

会議室の写真

株主総会決議取消の訴えとは

株主総会決議取消の訴えとは、株主総会決議に決議取消事由があるときに、当該決議の取消しを裁判所に対し求めるものです。

「決議取消事由」とは、決議の内容に法令、定款違反などの瑕疵がある場合をいいます。

株主総会の決議の瑕疵を争う訴訟は、非公開会社において、多数派から排除された少数派株主から提起されることが多く、裁判では、「原告である少数派株主が多数派株主に株式を売却する」といった内容の和解による解決が図られることが多いとされています。

株主総会決議取消訴訟が提起されると、会社としても訴訟対応に追われることになりますし、決議取消しが認められた場合、会社業務の法的安定性に問題が生じることになります。

参考文献:株式会社法/ 第2 版/ 江頭憲治郎著/ 有斐閣/376,377,391 頁

企業法務ニュースレターのお申込みはこちら