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法律コラム

公開日:2020.08.07 最終更新日:2021.10.29

CASE

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養育費請求(回収)の流れ

目次CONTENTS

ここでは、元配偶者から養育費が支払われない場合の、一般的な養育費請求(回収)の流れをご説明します。

まず、養育費が、① 裁判所か公証役場の関与があって定められているか、② 定められていないかによって、その後の流れが異なります。それぞれのケースについて、以下で詳しく解説していきます。

① 裁判所か公証役場の関与がある場合

相手方に養育費を支払うよう求める

裁判所や公証役場の関与がある場合には、まずは相手方に支払いをするよう求めます。相手方が支払いを忘れていたりした場合には、この時点で解決することもあり得ます。

裁判所に強制執行を申し立てる

しかし、相手方が連絡に応じなかったり、支払いを拒絶したりするのであれば、裁判所に強制執行を申し立てることになります。

勤務先に給与の差押えを行う

どのようなものを対象に強制執行するのかは、支払いを求める側が定めなければなりません。

効果的な強制執行の対象は、相手方の勤務先に給与の差押えを行うことですが、相手方の勤務先がどこであるのかは支払いを求める側が明らかにしなければなりません。
離婚時の勤務先にそのまま勤務し続けていればその勤務先に給与差押えをすればよいのですが、すでに離職している場合には、新たな勤務先を調査しなければなりません。これが非常に困難です。もっとも、令和2年4月1日から、法律により新たな調査手法が作られましたので、多少は調査が容易になりました。

将来の養育費についても給与差押えができる

給与の差押えに成功した場合、未払い分だけでなく、将来分についても継続して差し押さえ続けることができます。

預貯金口座を差し押さえる

給与以外にも、預貯金口座に対する強制執行もありえます。預貯金口座に対する強制執行の場合、強制執行をした時点でのその口座の預貯金口座残高を差し押さえることになります。

判明している財産を差し押さえる

その他に、わかっている相手方の財産があれば、それらに対する強制執行を検討することになります。

相手方の勤務先や財産がわからない場合は財産開示手続を利用する

給与差押え等の強制執行がうまくいかなかった場合や、そもそも相手方の勤務先や財産について何もわからない場合には、財産開示手続を利用することが考えられます。
財産開示手続とは、裁判所が相手方を呼び出し、相手方に自身の財産状況を明らかにさせるという手続です。相手方が呼出しに応じない場合や虚偽の報告をした場合には、刑罰(6か月以下の懲役、50万円以下の罰金)が科される可能性があります。

財産開示手続で財産状況が判明した場合は、その事実をもとに強制執行する

相手方が財産開示手続において財産状況を明らかにした場合、そこで判明した事実をもとに強制執行することを検討することになります。
一方で、相手方が財産開示手続期日に来なかった場合は、先に述べた新設された勤務先照会を用いて勤務先を突き止めることができる可能性があります。

②裁判所か公証役場の関与がない場合

裁判所や公証役場の関与がないケースとしては、

  • 養育費の話を全くしていなかった
  • 養育費について口頭で合意したのみ
  • 当事者間で書面を作成している

といったケースがあります。

裁判所・公証役場の関与のうえ、養育費を定める

いずれの場合でも、まずは、裁判所や公証役場の関与のうえで、養育費を定める必要があります。相手方が任意に支払うと言っている場合でも、すでに不払いが起きているのですから、裁判所・公証役場の関与のうえで、養育費を定めた方がよいと思われます。

裁判所や公証役場での手続き

裁判所を利用する場合は、養育費請求調停審判の申立てを行います。公証役場を利用する場合は、公正証書を作成します。これらの手続きにより、養育費の支払いについて取り決めた「調停調書」、「審判書」、「公正証書」が作成されます。
その後に養育費の不払いが起きた場合には、①と同様の流れで進むことになります。

養育費問題のご相談は弁護士法人桑原法律事務所へ

弁護士は、すべての段階で関与することが可能です。「養育費は請求したいが、相手方と直接連絡をとりたくない…」「法的な手続は難しそう…」と感じた方は、当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。

当事務所は、未払い養育費の回収に関する相談について、初回相談30分無料で対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。