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LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2021.03.01

CASE

  • 債権回収
  • 企業法務

令和2年4月 改正民事執行法|財産開示制度の実効性が向上

目次CONTENTS

昨年4月に、民事執行法が改正されたのをご存知でしょうか。

大まかに整理しますと、

  1. 債務者財産の開示制度の実効性の向上
  2. 不動産競売における暴力団員の買受け防止方策の徹底
  3. 子の引渡しの強制執行に関する規律の明確化

などですが、今回は 1 財産開示制度の実効性の向上について、解説いたします。

財産開示制度の実効性向上についての解説

裁判を起こして勝訴判決を獲得しても、相手が任意に支払わない場合は、自ら相手の財産を探し出して強制執行手続をしなければ、債権回収はできません。

しかし、判決が出ても任意に支払わないような相手ですから、財産を隠していることも多く、結局相手の財産を見つけきれずに獲得した判決が紙切れと化してしまう――法律家の業界全体が、これまでの手ぬるい民事執行法に対して、忸怩たる思いを抱えてきました。

そんな背景を踏まえ、改正法の下では、以下が新設されました。

  1. 財産開示手続の利用範囲の拡大と、
  2. 制度の実効性強化が図られるとともに、
  3. 債務者以外の第三者からの情報取得手続

1.範囲の拡大

まず、1.範囲の拡大ですが、金銭債権であれば、公正証書等によっても財産開示手続が利用できるようになりました。

2.制度の実効性強化

次に、2.制度の実効性強化についてです。

改正前は、債務者が財産開示期日に欠席したり、財産開示について嘘をついたりした場合でも、30 万円以下の過料に過ぎなかったのですが、改正後は刑事罰(6か月以下の懲役又は50 万円以下の罰金)が科されるようになりました。

前科となりますし、悪質であれば懲役刑の可能性もありますので、財産を隠している債務者からの回収に向け、強力な武器となります。

3.第三者からの情報取得手続

最後に、3.第三者からの情報取得手続です。

裁判所に申し立てることによって、以下の関係先から各情報が取得できるようになりました。

金融機関からは、債務者の預貯金債権や上場株式、国債等に関する情報を取得できるようになりました。

登記所からは、債務者の不動産に関する情報を取得できるようになりました(運用開始は令和3年5月1日から)。

養育費等の債権や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者であれば、市町村や日本年金機構等から、債務者の給与債権(勤務先)に関する情報が取得できるようになりました。

それぞれ、申立てできる要件や手続きが若干異なりますので、詳細は弁護士にご相談・ご依頼いただければと思います。なお改正後といえども、財産や収入を持たない債務者や、その後破産などの法的手続で免責された債務者に対しては、実効性はありません。

さいごに

昔、判決や勝訴的和解・調停などを勝ち取って、支払がなされないまま放置され、不快な思いをされてきた債権者の皆様。強化された財産開示手続を活用して、相手からの債権回収に再度チャレンジしてみませんか?

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