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LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2018.04.10 最終更新日:2022.08.25

CASE

  • 刑事事件

勾留とは|要件や弁護人の活動について解説

目次CONTENTS

勾留とは、被疑者又は被告人を拘禁する裁判及びその執行をいいます。

被疑者は、警察官に逮捕された場合、48時間以内に検察官に送致され、検察官は24時間以内に、勾留の請求をするか否かを決定します。勾留の請求がなされなければ被疑者は釈放されますが、勾留の請求がなされた場合には、勾留すべきか否かを裁判官が決定します。

すなわち、勾留の請求をするのは検察官であり、この請求について判断を下すのが裁判官です。

裁判官は、勾留の決定をする前に、被疑者に対して勾留質問を行い、被疑者に弁解の機会を与えます(刑事訴訟法201条1項、61条)。

裁判官は、検察官から送られてきた資料や勾留質問を踏まえて、検察官からの勾留請求が、勾留の要件を充たすと判断した場合に、勾留の決定を出します。

勾留の要件とは

勾留の要件は、以下の3つです。

  1. 勾留請求の手続が適法であること
  2. 勾留の理由があること
  3. 勾留の必要性があること

それでは順にみていきましょう。

1.勾留請求の手続が適法であること

勾留請求の時間制限が守られているか、逮捕手続が適法か、などが問題になります。

2.勾留の理由があること

勾留の理由とは、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、刑事訴訟法60条1項各号の要件のいずれかに該当することです。

刑事訴訟法60条1項
1号 被告人が定まった住所を要しないとき
2号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
3号 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき

3.勾留の必要性があること

③の勾留の必要性とは、起訴の可能性(事案の軽重等)、捜査の進展の程度、被疑者の個人的事情(年齢、身体の状況等)などから判断される勾留の必要性です。

勾留されるかもしれない場合の弁護士の活動

被疑者が逮捕され、勾留されるかもしれないという場合どうすべきでしょうか。

弁護人としては、裁判所に対し、被疑者を勾留しないよう求める意見書を提出します。意見書には、検察官の勾留請求が、上記の勾留の要件1~3を充たさないことを丁寧に記載することが必要になります。

この意見書により、裁判所が「勾留の要件を充たさない」と判断した場合には、被疑者は釈放されます。

裁判官が勾留の決定をした場合どうなる?

裁判官が被疑者に対して勾留の決定をした場合には、どうなるのでしょうか。

裁判官が勾留の決定をした場合、被疑者は、勾留請求日から、原則として10日間勾留されます。この期間内に検察官が公訴の提起をしない場合には、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければなりません(刑事訴訟法208条1項)。

しかし通常は、検察官から勾留延長の請求がなされ、さらに10日間の勾留がなされる場合が多いです。もっとも、勾留延長には「やむを得ない事由」が必要です(刑事訴訟法208条2項)。

勾留の決定がなされた場合の弁護人の活動

勾留の決定がなされた場合、弁護人としては、この決定に対して決定の取り消し勾留請求の却下を求める準抗告をします(刑事訴訟法429条1項2号)。

この準抗告においても、勾留決定前に提出する意見書と同様に、勾留の要件1~3を充たさないことを主張します。

そして、準抗告が認められれば、被疑者は釈放されることになります。

勾留延長の決定がなされた場合の弁護人の活動

勾留延長の決定がなされた場合、弁護人としては、準抗告をして、「やむを得ない事由」がないことを主張します。

「やむを得ない事由」があると認めるときとは、「事件の複雑困難、あるいは証拠収集の遅延もしくは困難等により、勾留延長をして更に取調べをするのでなければ、起訴もしくは不起訴の決定をすることが困難な場合」とされています。

被告人勾留:起訴後の勾留について

ここまでは被疑者段階での勾留について解説しました。次に、被告人段階での勾留について解説します。

被疑者は、起訴された後、被告人となります。

被告人勾留の要件は、被疑者の場合と同様ですが、勾留期間が異なります。被告人勾留は、公訴提起があった日から2か月です(刑事訴訟法60条2項)。被疑者の場合は、勾留請求日から原則として10日間ですから、被告人勾留は、被疑者勾留の場合と比べるとかなり長いということになります。

さらに、特に継続の理由がある場合には、具体的にその理由を附した決定で、1か月ごとに更新することができます。被疑者勾留の延長は10日間ですから、こちらも比較すると、かなり長いということになります。

なお、更新は、刑事訴訟法89条1号、3号、4号、6号に該当する場合(※下記1~4)を除いて、1回に限られます(刑事訴訟法60条2項但書)。

  1. 死刑、無期、短期1年以上の自由刑に当たる罪を犯した場合
  2. 常習として長期3年以上の自由刑に当たる罪を犯した場合
  3. 罪証隠滅のおそれがあるとき
  4. 氏名または住居がわからないとき

逮捕・勾留に関しては弁護士にご相談ください

勾留について解説いたしましたが、勾留については迅速な対応が要求されます。

ご自身や身内の方が逮捕されそうな場合や、逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士にご相談ください。