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法律コラム

公開日:2018.06.06 最終更新日:2022.08.25

CASE

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起訴とは|デメリットや弁護人選任の必要性について解説

目次CONTENTS

起訴は、検察官が行います。警察官が起訴すると誤解されている方もいらっしゃいますが、起訴は検察官しかすることができません。

検察官は、起訴を行うかどうかを決めることができます。これを、「起訴便宜主義」といいます。また、検察官が、被疑者を起訴しない処分をすることを、「起訴猶予(不起訴)処分」といいます。

起訴とは

起訴された場合、ほぼ有罪に

起訴された場合、ほぼ有罪となります。

執行猶予が付けば、実質的には以前と変わらない生活を送ることができますが、それでも前科がつくことによる社会的な制裁を受けることがあります。

したがって、有罪にならないための一番の方法は、起訴とならないこと、すなわち起訴猶予処分となることです。

不起訴に向けた弁護人の活動とは

弁護人としては、検察官が起訴しないように、積極的に働きかけていくことがあります。

示談が成立した場合に示談書を提出したり、身元引受人を確保して身元引受書を提出したり、被害弁償の証拠を提出するなどします。そして、「このような事実から、起訴すべきでない」という意見書を提出し、不起訴処分となるよう活動するのです。

事件が検察に送られていない場合はどうする?

それでは、事件が検察に送られていない場合は、どうすべきなのでしょうか。

事件の捜査は、主として警察が行います。被疑者を逮捕した事件については、一定期間内に、検察官に対して事件を送らなければいけませんが、そうでない場合(いわゆる在宅事件の場合)には、そのような制約はありません。そこで、警察捜査の段階で選任された弁護人は、警察に対し、検察に送らないように求めることができます。

警察が検察に送るかどうかの判断も、検察の起訴の場合と同様に、事件の内容が軽微か、被害者と示談ができたか、身元引受人はいるか、等の事実により行われます。弁護人としては、このような事実を、証拠を基に主張し、検察に対して事件を送らないように求めていくことになります。

また、警察が事件を把握しているが、そもそも事件として扱わない(捜査をしない)という場合もあります。これも、事件の内容が軽微で、被害者と早急に示談ができた場合など、諸事情を考慮して判断されます。事件発生直後に、弁護人が警察に対して連絡したときに、担当警察官から「被害者と示談ができれば事件にはしません」と言われることもあります。

起訴とならないためには:弁護人選任の必要性

弁護士バッジ

法律知識に乏しい方が、自身の活動で起訴猶予処分を得ることは困難です。

検察官は法律の専門家であることに加えて、強力な捜査権限を有していますので、まず太刀打ちできません。そして、難しい事件であればあるほど、どのような事実があれば不起訴になるのかの判断が難しく、ますます困難になると思われます。

早期に弁護人を選任すれば、弁護人は、起訴されないための様々な対応ができます。早期の選任による様々な弁護人の対応、すなわち弁護活動により、起訴を防ぐ可能性も高まるのです。

そのためにも、できる限り早く弁護人を選任されることをおすすめいたします。

略式起訴とは

捜査機関による捜査がなされると、検察官が起訴するかどうかを決めます。

検察官が起訴する場合、方法としては、公判において手続を行うものと略式手続を行うものがあります。

略式手続の場合、被告人は、公判廷に出廷することなく、書面審理で刑罰を課されることになります。科される刑罰は、「100万円以下の罰金又は科料」です。

手続きとしては、検察官の取調べの際に、検察官から略式手続の説明を受け、略式手続によることについて異議のない旨を書面で明らかにします。そして、検察官が略式命令を請求します。

略式手続の大きなメリットとしては、公判廷に出廷することがない点にあります。公判において手続を行う場合には、傍聴人がいることもある中で、審理されることになりますが、これは非常に精神的に負担が大きいものになります。

略式手続を選択するかどうかについては、事前に弁護人に確認することをお勧めいたします。

起訴猶予とは

起訴猶予とは、言葉のとおり、起訴を猶予されるということになります。

起訴するだけの犯罪の嫌疑があり、訴訟条件も備わっている場合に、検察官は、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情状により訴追を必要としないときは、公訴をしないことができる(刑事訴訟法248条)」とされています。

起訴猶予は、不起訴処分の一種です。

起訴猶予を含めた不起訴処分となると、前科とはなりません

不起訴処分となると、起訴されないという結論で一旦事件が終了します。もっとも、起訴されたうえで無罪判決を得たわけではありませんので、法律上は、検察官は不起訴処分という結論を翻して起訴することも可能ですが、事実上、不起訴処分後に起訴するということはほぼありません。

不起訴処分にはいくつか種類があります。

まず、起訴猶予を理由とした不起訴処分があります。また、犯罪の嫌疑が不十分である場合に、嫌疑不十分を理由とした不起訴処分となります。犯罪の嫌疑が全くない場合には、嫌疑なしを理由とした不起訴処分となります。

不起訴処分に関するご相談は桑原法律事務所へ

早い段階で弁護人をつけ、適切に活動を行うことで、不起訴処分となる可能性が高まりますので、刑事事件に関与した場合には、早期に弁護士にご相談ください。

※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。