公開日:2019.01.18 最終更新日:2021.10.28
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仮眠は労働時間にあたる?|朝礼や着替えの時間は?|弁護士が解説
【本記事の監修】 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
仮眠や朝礼など、従業員が働いているといえるか判断が難しい時間について、「労働にあたるのか?」「給料を支払うべきなのか?」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。労働時間の範囲について、桑原法律事務所の弁護士が解説いたします。
宿直中の仮眠は労働時間にあたる?
2017年5月、イオンの関連会社で警備にあたっていた男性社員が、「宿直中の仮眠は労働時間にあたる」として未払い賃金などを求めて提訴していた裁判で、千葉地裁は、「宿直中の仮眠時間は労働時間にあたる」と認め、会社側に対して約180万円の支払いを命じました。
千葉地裁は、寝ている時間も働いていると認めたわけですが、皆さんの中には、寝ている時間も働いているという判断に違和感を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この問題を考えるにあたって、まず労働時間とは何か?というところから紐解いていきましょう。
「労働時間」にあたる場合とは?
最高裁判所は「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」を労働時間と捉えます。
種々の事情を総合考慮し、ある時間について、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていると評価できるのであれば、それは労働時間であると考えます。
逆に、使用者の指揮命令から解放されていると評価できるのであれば、それは労働時間ではなく、休憩時間であると判断されることとなります。
労働時間にあたる例
朝礼、ミーティング、体操は、一般的に義務的に行われるものとして指揮命令下に置かれていると評価されるでしょう。
労働時間にあたらない例
作業衣への着替えや保護具の着用は、義務的、かつ、それ自体入念な作業を要する場合を除いては、指揮命令下に置かれているとは評価できないでしょう。
労働時間について判断に迷うときは弁護士にご相談ください
冒頭の警備員の事案に戻ると、おそらく同警備員は、仮眠中であるとはいえ、緊急事態が発生したような場合は直ちに業務に戻る必要があったと推測されます。このような場合、たとえ仮眠中とはいえ、「使用者の指揮命令下に置かれている」「労働から完全に解放されているとはいえない」という評価になります。
労働時間を見過ごしてしまえば、給料の未払いが生じます。未払い給与の請求を受けると、未払い給与のみならず未払い給与と同一額の付加金を併せて支払うよう命じられることもあります。
従業員の労働時間について判断に迷うときは、当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。
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