公開日:2019.10.18
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事実無根のネット投稿の削除や投稿者への損害賠償はできますか?

【本記事の監修】 福岡の弁護士 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
たとえば、経営している会社について、匿名型電子掲示板で、「あそこはブラックだ」といった悪評や「社長は元ヤクザだ」といった事実無根の書込みをされてしまった場合、投稿の削除や投稿者に対する損害賠償などはできるのでしょうか。弁護士が解説します。
Q.事実無根のネット投稿の削除や投稿者への損害賠償はできますか?
A. インターネットに書かれた誹謗中傷は、早期に対策をしなければ次から次に拡散し、会社にとって大きな信用リスクにもなりかねません。また、まずい対応により火に油を注ぐような結果になることもあります。そのため、迅速かつ的確な対応を取る必要があるでしょう。
1.書込みの削除要請
最初に検討するべき対応としては、掲示板運営元への書込みの削除要請でしょう。削除要請については、各運営元により方法が異なります。運営元の求める様式・方法でなければ要請を受け付けることすらしてもらえない場合がありますので、注意が必要でしょう。
また、運営元により、コメント削除の基準や対応の早さが異なります。さらに、海外が運営元である場合には手続が複雑(あるいは困難)となる場合もあるので注意が必要です。
2.投稿者への損害賠償請求
投稿者への損害賠償請求を行うには、まずは本人の特定が必要です。本人の特定は、掲示板の運営元やインターネットサービスプロバイダに対しIPアドレス等の開示を求めることにより行っていきます(発信者情報開示請求)。通信記録の保存期間を過ぎてしまうと特定が不可能となってしまうため、注意が必要です。
本人の特定ができれば損害賠償請求が可能となります。どれくらいの額の請求が可能かは、書込みの内容やこれにより生じた具体的な不利益によってケースバイケースですが、高額の賠償が認められることは多くないようです。
3.刑事的な処罰を求める
民事的な請求のほか、信用毀損・業務妨害罪(刑法233条)に当たりうることから、刑事的な処罰を求めることも検討すべきでしょう。
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※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。