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LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2018.04.10 最終更新日:2022.08.25

CASE

  • 刑事事件

刑事裁判とは|刑事裁判の流れ|弁護士が解説

目次CONTENTS

刑事裁判とは?

「刑事」とは刑事事件であり、一般的には、窃盗や殺人などが思い浮かぶと思います。「裁判」とは、簡単に言うと、裁判所による判断であり、判決が一例として挙げられます。また、世間では、訴訟手続そのものを「裁判」と呼ぶことが多いと思われます。

そうすると、「刑事裁判」とは、「窃盗などの刑事事件について、裁判所が下す判断もしくはその訴訟手続自体」と理解してよいと思われます。

そして、裁判所は、ある事件について、そもそも被告人がその犯罪行為を行ったのかどうか、すなわち有罪か無罪かを判断します。仮に、被告人が有罪であると判断した場合には、いかなる刑罰を科すのかを判断します。

裁判所は、刑事訴訟という手続の中で上記のような判断を行うのですが、このような手続を定めている法律が刑事訴訟法です。憲法第31条によれば、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」とされています。刑事訴訟法は、まさにこの「手続」を定めているのであり、憲法上の要請なのです。

被告人に対して刑罰を科すためには、刑事訴訟という適正な手続の中で、公平中立な立場である裁判所が判断しなければならないと定めることで、被告人が不当な刑罰を科されることのないように配慮されているのです。

刑事裁判の流れ|冒頭手続→証拠調べ手続→論告、弁論

次に、刑事裁判(刑事訴訟)の手続が、一般的にどのように行われているかについて、流れを説明いたします。

刑事裁判の大きな流れとしては、以下の4つに分けられます。

  1. 冒頭手続
  2. 証拠調手続
  3. 弁論手続
  4. 判決

1.冒頭手続

冒頭手続の内容は、人定質問→起訴状朗読→黙秘権告知→被告人と弁護人の陳述、というものです。

まずは法廷に入廷し、裁判官の入廷を待ちます。裁判官の入廷後、起立し、一礼します。検察官、弁護人も同様の動作を行います。

人違いがないかの人定質問のために、裁判官から「被告人は証言台の前に。」と言われますので、証言台の前に移動します。

裁判官から、氏名、住所、本籍、職業を聞かれます。本籍については聞かれないこともあります。

証言台の前に起立したまま、裁判官が検察官に起訴状の朗読を求め、起訴状の朗読が始まります。

起訴状の朗読が終わると、裁判官から黙秘権の告知があります。内容としては、「言いたくないことは言わなくてもよいし、言いたいことは話してもよい、もっとも、この法廷で話したことは、有利にもなり得るし、不利にもなり得る」というものです。

そして、黙秘権の告知に引き続き、罪状認否が行われます。裁判官から、「今、検察官が朗読した起訴状の内容にどこか間違っているところはありますか。」と質問されます。被告人が答えた後に、裁判官から弁護人に対し、「弁護人、ご意見は。」と聞かれますので、弁護人の意見を述べます。

冒頭手続はこのように進んでいきます。冒頭手続が終わると、証拠調手続へと進んでいきます。

2.証拠調べ手続

証拠調手続の内容は、冒頭陳述→立証→被告人質問、という流れで行われることが多いです。立証については、検察官側が犯罪事実や情状について立証活動をした後、弁護人側も書証の提出、証人尋問等を行います。

まず、検察官が冒頭陳述を行います。冒頭陳述とは、検察官がその刑事裁判で証拠により立証しようとする事実の概要を裁判所に説明するものです。

検察官の冒頭陳述の後に、被告人側も冒頭陳述を行うことが可能です。必ず行わなければならないものではありません。もっとも、公判前整理手続を経た場合には、被告人側は冒頭陳述を行わなければなりません。そのうえで、被告人側の冒頭陳述後、公判前整理手続の結果が顕出されます。

続いて検察官からの証拠調請求がなされます。多くの場合、「証拠等関係カード記載の各証拠の取調べを求める。」という内容で請求されることが多いです。

検察官の証拠調請求に対して、弁護人の意見を聞かれます。弁護人は、事前に被告人と協議した結果の意見を述べます。弁護人が同意した書証や取調べに異議を述べなかった物証については、そのまま取り調べられることになります。

その後、弁護人による証拠調請求となります。弁護人の証拠調請求に対し、検察官が意見を聞かれます。検察官、弁護人から証人の請求があった場合には、証人尋問が行われます。

そして、その後、被告人質問が行われます。

証拠調べは、以上のように進んでいきます。証拠調手続が終わると、論告、弁論へと進んでいきます。

3.論告、弁論

証拠調手続が終わると、論告、弁論が行われます。論告、弁論とは、その事件の事実および法律の適用について、検察官、弁護人の意見を述べることをいいます。検察官は論告求刑、弁護人は弁論をし、被告人は最終陳述をします。要するに、検察官は「懲役◯年」、弁護人は「執行猶予付」など、それぞれの意見を述べる手続です。

まず、検察官が論告および求刑を行います。

引き続いて、弁護人が、弁論を行います。

そして、被告人による最終陳述が行われます。事件について、裁判官に伝えておきたいことを話せる最後の機会となります。

これにより、審理手続が終了します。このことを、弁論の終結または結審といいます。

4.判決

そして、判決の宣告手続となります。裁判所が当事者の主張立証を踏まえ、判断を下すことになります。

証言台の前に起立し、判決の読み上げを聞くことになります。保釈中で実刑判決が下された場合、その場で収容されることになりますので、念のため、着替え等の準備を行っていた方が安心です。

第一審の手続は、一般的には以上のように進んでいくことになります。基本的には1回で結審し、判決となる流れが多いです。

4-2.控訴(判決に不服がある場合)

第1審の判決に不服がある場合には、控訴を行い、控訴審で争うことになります。

まず、控訴申立書を第1審の裁判所に提出しなければなりません。提出期間は、裁判が告知された日の翌日から14日間です。

控訴申立書提出後、控訴理由を記載した控訴趣意書を提出する必要があります。控訴趣意書の提出期限は、控訴裁判所から通知されますが、30日から40日の期間が認められるのが通常です。

控訴趣意書には、控訴理由を記載する必要があります。控訴理由は刑事訴訟法に法定されています。これ以外の事由を控訴理由とすることはできません。

刑事訴訟法に法定されている控訴理由

  1. 訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法377条~379条所定の事由)
  2. 事実誤認(刑事訴訟法382条・382条の2所定の事由)
  3. 法令適用の誤り(刑事訴訟法380条所定の事由)
  4. 量刑不当(刑事訴訟法381条・382条の2所定の事由)
  5. 再審事由等(刑事訴訟法383条所定の事由)

そして、控訴審では、控訴理由の存否について審理がされることになります。

刑事裁判と民事裁判の違い

刑事事件とは、簡単に言えば、刑法が適用される事件のことです。

たとえば、AさんがBさんの財布を盗み、警察に逮捕されたとします。この場合、Bさんは刑法上の窃盗罪を起こした犯人として捜査の対象となり、窃盗罪が成立するか否かなど、刑法の適用の問題となります。

他方、民事事件とは、簡単に言えば、民法が適用される事件のことです。

たとえば、上記の事案で、財布を盗まれたAさんが、財布とその中に入っていた現金分の損害を請求する場合、民法上の損害賠償請求が成立するか否かなど、民法の適用が問題となります。

以上のとおり、刑法上の問題なのか、民法上の問題なのかで、同じ事案でも適用される法律が異なります。すなわち、刑法上の問題を裁判所で審理するのが刑事裁判、民法上の問題について審理するのが民事裁判です。

そして、刑事裁判の手続について定めた法律が刑事訴訟法、民事裁判の手続について定めたのが民事訴訟法です。

裁判手続の内容も、刑事と民事とではまったく異なりますので、注意が必要です。刑事事件と民事事件を一緒に弁護士に依頼されるときには、まったく別の手続であるということに注意して、しっかりと説明を受けていただく必要があります。