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LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2021.12.21 最終更新日:2022.08.25

CASE

  • 刑事事件

盗撮の被害者との示談をするためには|弁護士の活動とは

目次CONTENTS

盗撮事件の被害者の方は、加害者から自分の下着の写真等を勝手に撮影されるといった被害にあわれていますので、加害者に対して激しい怒りや恐怖等、負の感情を抱いていることが多いと思われます。

そのような被害者に対して、「謝罪をしたい」「慰謝料を支払うなどして被害弁償をしたい」と考える加害者もいると思います。被害者に対する誠意を示したいという気持ちは、自身が犯行を認めているのであれば、示談の話をしないよりも望ましいと思われます。

もっとも、被害者の立場からすれば、盗撮された加害者を許すことはできず「話もしたくない」「連絡先を教えない」という考えを抱くこともやむを得ないと思われます。そのような場合は、加害者が自身で話をして上記のような提案をすることは非常に難しいと思われますので、弁護士に依頼をして、被害者に対して協議の申し出をすることになります。

盗撮で逮捕された場合の被害者との示談について、弁護士が解説いたします。

被害者の連絡先を知ることはできる?

盗撮事件の被害者と示談したい場合に、被害者の連絡先を知ることはできるのでしょうか。

この点、被害者の情報がまったくなく、調べようがない場合は、警察や検察などの捜査機関から教えてもらうしかありません。

しかし、盗撮事件の被害者の方は、加害者に対して多大な恐怖心や嫌悪感を抱いており、「氏名や連絡先など教えたくない」というのが一般的です。したがって、警察や検察などの捜査機関に問い合わせても、連絡先を教えてくれないのが通常です。

もっとも、被害者の方も、「弁護士であれば教えてよい」という方は多いです。そのため、加害者としては、被害者の情報が不明である場合は、弁護士に依頼したほうがよいということになります。盗撮事件の被害者の方との示談をお考えの方は、お早目に弁護士にご相談ください。

盗撮の被害者に謝罪を伝える方法は?

「盗撮で逮捕され、被害者に謝罪したい」という場合、被害者の方に謝罪の意思を伝えるにはどのような方法があるでしょうか。

盗撮で逮捕されてしまうと、当然ですが、ご自身で被害者の方に謝罪の意思を伝えることはできません。また、逮捕直後はご家族との面会もできませんので、ご家族を通じて謝罪の意思を伝えることも難しいでしょう。

逮捕直後は、弁護士を通じて謝罪の意思を伝えましょう。謝罪文を作成し、弁護士を通じて被害者の方に渡すという方法もあります。

盗撮の被害者と連絡を取るには|弁護士に依頼を

盗撮事件の被害者の方は、加害者に対して多大な恐怖心や嫌悪感を抱いており、「氏名や連絡先など教えたくない」というのが一般的です。

もっとも、被害者の立場からすれば、盗撮された加害者を許すことはできず、話もしたくないしそもそも関わりたくもない、という考えを抱くこともやむを得ないことです。このような場合、警察官や検察官に対し、被害者と連絡をとりたいので教えてほしいと依頼したとしても、被害者の連絡先を知ることは困難です。

一方で、「弁護士であれば連絡先を開示しても構わない」と考える被害者の方もいらっしゃいますので、そのような場合は、弁護士に依頼をして被害者に対して協議の申し出をすることになります。

盗撮の被害者が、そもそも弁護人からの連絡に応じていただけるかはわかりません。しかし、そのような場合であっても、弁護人は警察官に対して、被害者が謝罪を強く希望している旨を伝えるなどして、できる限り謝罪の意思を伝えるよう努力します。

盗撮の被害者へ謝罪文を送る場合|心情への配慮を

被害者にとっては、弁護士と協議をするときも事件のことを思い出し、多大なストレスを感じる方が多いと思われます。弁護士は、そのような被害者の感情に十分に配慮し、決して被害者が傷つくことのないように、示談の協議を進める必要があります。

謝罪文の送付についても、被害者に受取りの意思を確認してから送付することになります。被害者の意思が不明であるにもかかわらず、謝罪文を送付することにより、被害者が再度不快な思いをする可能性がありますし、それにより、その後の話し合いも円滑に進まない可能性があるためです。

被害者に対して謝罪文を送りたい、被害者の方と示談をしたいという場合は、お早めに弁護士にご相談ください。

盗撮事件の被害者との示談の流れ

以下では、盗撮事件の被害者との示談の流れについて解説いたします。

1.弁護士への依頼

盗撮事件の被害者は、通常、加害者と話はしたくない、加害者には自身の氏名や連絡先などの情報を開示したくない、という方が多いものです。そのような場合は、弁護士に依頼をして、被害者の方と示談についての話し合いをすることになります。

2.捜査機関への確認

被害者の連絡先は捜査機関が把握していますので、弁護士は、捜査機関に連絡し、被害者と協議をすることができるか確認して欲しいと依頼することになります。

3.示談についての協議

被害者の了承が得られた場合には、捜査機関から被害者の情報を開示してもらうか、被害者から弁護士に連絡をしていただくことになります。弁護士は、被害者に対し、加害者からの謝罪の意思を伝えるとともに、示談金の支払い等、条件について提案し、被害者からの回答を待つことになります。

盗撮事件における示談の条件としては、以下のようなものが考えられます。

  • 謝罪条項
  • 示談金
  • 画像の消去
  • 接触禁止
  • 口外禁止
  • 宥恕文言(宥恕とは、許すという意味です)
  • 清算条項

4. 示談の成立

被害者から条件について了承いただいた場合には、弁護士が示談書を作成し、示談書に記載した条件を履行することになります。

盗撮事件の示談金の相場とは

一般的に、盗撮事件の示談金の相場は、10万円~50万円くらいと考えられます。事件の内容や被害者の考え、被疑者の資力等によって金額が変わりますが、数十万円が相場であると考えられているようです。

もっとも、事案の悪質性や、被害者の被害感情の大きさ等により、示談金の額は大きく変動します。特に、被害者が加害者に対してとても大きな処罰感情を抱いているような場合には、50万円を超える金額での示談が成立することもあり得ます。

また、示談する際には、盗撮画像の破棄、接触禁止、口外禁止の条項を盛り込むことが多いでしょう。

被害者の感情に配慮しながら、被害者が納得する示談の内容を提案し、示談をすることになります。

被害者と示談が成立した場合|弁護士の活動

被害者との示談ができれば、初犯の場合、不起訴になる可能性が高くなります。

示談が成立した場合、弁護士は、示談書を捜査機関に提出し、示談成立を踏まえた処分をしてもらえるよう捜査機関に働きかけます。事案にもよりますが、被害者と示談が成立すれば、不起訴になる可能性も十分にあります。不起訴にならない場合でも、罰金で終わる場合も多いと考えられます。

もっとも、被害者と示談するだけでは不十分な場合には、身元引受人を確保したり、被疑者の生活状況や更生に向けた努力(通勤の際の犯行であれば通勤手段として電車を利用しない等)を主張したりして、不起訴にするよう検察官に求めることになります。

なお、被害者にとっては、弁護士と協議をするときにも事件のことを思い出すことになるため、多大なストレスを感じる方が多いと思われます。

当事務所の弁護士は、そのような被害者の感情に十分に配慮し、被害者が再び傷つくことのないように、細心の注意を払いながら話し合いを進める必要があると考えています。

盗撮事件で被害届を出さないようにしてもらうことはできるのか

被害届を出すのは、基本的には、実際に被害にあった人(被害者)です。盗撮に関して考えると、盗撮された人ということになります。

盗撮をし、被害者が被害に気が付いたときに、被害届が提出される可能性があります。被害届を出すか否かは、基本的に被害者の意思に委ねられるものです。

もっとも、早期に被害者と示談を行うことにより、被害届が提出されない方向に進めることも考えられます。しかし多くの場合、被害者にとって、加害者本人やその家族と連絡をとることは心理的なハードルが高く、抵抗感を感じるものです。そのため、被害者と示談の話し合いを行いたい場合は、弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。

どれだけ早期に被害者と話し合いを始めることができるのかが重要ですので、少しでも早く弁護士にご相談ください。

盗撮事件で早期の身柄解放を目指すなら

被害者と早期に示談ができれば、身柄が解放される可能性が高まるでしょう。

逮捕後、釈放される場合もありますが、勾留される可能性もあります。勾留された場合は、最大で20日間身柄を拘束されることになります。

盗撮の場合は被害者がいますので、被害者と早期に示談をし、身柄の解放を目指すことになります。被害者の中には、「被疑者や被疑者の家族とは話をしたくない」という方も多くいらっしゃいますが、弁護士であれば話をしてもよいという方もいらっしゃいます。

以上のとおり、被害者との示談において弁護士が果たす役割は大きいものです。盗撮を行ってしまい、被害者に対して誠意を示したい、示談をしたいという方は、お早めに弁護士にご相談ください。

さいごに:更生を目指す方へ|二度と盗撮をしないために

当事務所が刑事弁護においてもっとも重視していることの一つに、被疑者(被告人)の更生があります。

犯罪を行った被疑者が、今後、二度と犯罪を行わないようにすることは、刑事弁護活動においても非常に重要であると考えています。なぜなら、被疑者が犯罪を行わなければ、新たな被害者が生まれることもなく、平和な社会を築けることになるからです。

しかし、盗撮を含む性犯罪は、再び犯罪を行う可能性が高いことが特徴だと言われています。再び盗撮を犯してしまう理由は何でしょうか。

理由1.ストレス発散

現代社会では、社会生活上、様々なストレスを受ける場合があります。職場や学校など、家庭の外だけではなく、家庭内でもストレスを受ける人は多いと言われています。
性犯罪者は、このような様々なストレスの発散として、盗撮を行う場合があるようです。そのようなケースでは、ストレスを受け続ける限り、盗撮を繰り返してしまう可能性があります。

理由2.スリルや成功体験

他人から見つからないように盗撮を行うこと自体にスリルを感じ、成功することによって、また味わいたいと思ってしまう。このような心理状態を有する性犯罪者もいるようです。

理由3.精神疾患

何度逮捕され、刑罰を受けても、また盗撮を繰り返す。そのような場合は、精神疾患である可能性もあります。様々な依存症と同様に、本人や家族など周囲の方々だけでは、立ち直ることが難しいと思われます。

再び盗撮を行わないために

それでは、再び盗撮を行わないためには、どうすればよいのでしょうか。

  • カウンセリング
    専門医や臨床心理士とカウンセリングを行い、自身の悩みを素直に打ち明ける等して、認知や思考の改善をします。また、被疑者のご家族についてもカウンセリングを受けたほうがよい場合がありますので、一度ご相談されたほうがよいでしょう。
  • 自助グループ
    自助グループでは、グループミーティングを行い、同じような境遇にある他人の話を聞き、自身の考えや経験を話すことにより、自身の誤った認識を正し、被害者の心情を理解することにつながります。
    グループミーティング以外の手法によっても認知の歪みが治せるよう、様々なプログラムが提供されます。
  • 治療
    盗撮が精神疾患によるものである場合には、専門の治療機関で治療を受けることにより、誤った認知を正し、改善する必要があります。治療機関では、薬物療法も行われる場合があります。

弁護士は、上記の治療等の行為はできません。しかし、単に刑事弁護を行うだけではなく、更生に向けた活動の手助けをすることは可能です。更生を目指す方は、早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

盗撮を行ってしまい、今後どうすべきか悩んでいる場合には、まずは弁護士にご相談ください。弁護士に対する相談については守秘義務があり、外部に盗撮の事実が漏れる心配はありませんので、安心してご相談ください。