公開日:2020.01.17 最終更新日:2021.10.29
- 法律コラム
- 相続・高齢者問題
遺言執行者とは?遺言執行者に就任したら何をする?断ることはできる?
【本記事の監修】 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
この記事では、遺言執行者について弁護士が解説いたします。
遺言執行者とは?
遺言の内容を実現するため、預貯金の解約や不動産登記の移転等、実際に財産の移転作業を行う人(法人)を意味します。
遺言で「遺言執行者を○○と定める」と指定することができ、遺言に記載がなければ、家庭裁判所の手続を通して遺言執行者を選定することになります。
遺言執行者を断ることはできる?
遺言執行者として指定・選定された場合、断ることもできます。しかし、一度、遺言執行者に就任することを承諾・拒絶した場合は、撤回することはできません。
遺言執行者に就任したら何をする?
相続人に通知する
遺言執行者に就任した場合は、相続人に対し、1. 就任したこと、2. 遺言の内容を通知することが求められます。相続人が複数人いることが多いので、書面で通知することが適切でしょう。
遺言書を検討する
遺言執行者に就任した後は、遺言の有効性を判断することになります。自筆証書遺言については方式が厳格に定められているため、以下の事項を確認する必要があります。
原則として、被相続人自身が筆記したものである必要があります。なお、相続法改正によって、相続財産の目録については自書する必要はなくなりました。
他人の添え手によって書かれた遺言は、例外を除き原則無効となる
他人の添え手によって書かれた遺言は原則として無効になりますが、以下の場合については有効と示した最高裁判例があります(最判昭和62・10・8)。
- 自筆能力(読み書きできること)を有し、
- 他人の支えが単に筆記を容易にするためのものであり、
- 他人の意思が介入した形跡がない
ただし、その判例の事案では結果的には2の要件を欠き、無効と判断していますので、ご注意ください。
「医療・介護」「飲食・ホテル」「小売・店舗」「保育園」「タクシー」「士業」「不動産」「コンサルタント」「人材サービス」「フィットネス」など30名以下のサービス業に特化した顧問弁護士サービス 月額11,000円でお試し可能!詳しくはこちらをご覧ください > |
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。