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法律コラム

公開日:2022.05.12

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  • 自己破産

自己破産すると会社にバレる?| 仕事はどうなる | 弁護士が解説

目次CONTENTS

借金を減らす法的な手続きの一つである自己破産をすると、勤め先に知られてしまうのでしょうか。自己破産したあとの仕事への影響について、債務整理に精通する福岡・佐賀の弁護士法人 桑原法律事務所の弁護士が解説します。

Q.自己破産をすると会社にばれてしまいますか?

A.会社に知られてしまう可能性は少ないでしょう。

自己破産をしても、弁護士や裁判所から勤務先の会社に連絡することはありません。

当事務所でも、自己破産をして「官報」に記載されたから知人に破産がバレたという方や、自己破産が予期せず会社に知られてしまったという方は、これまで記憶にありません。

ただし例外もあります。勤務先の会社から借金をしている場合です。

会社が債権者となりますので、裁判所から会社に通知が行きます。該当する方はご注意ください。

Q.自己破産を知られたらクビ?

A.勤める会社が従業員の破産を知っても、会社は、自己破産を理由に解雇できません。「解雇する」と言われても、辞める必要はありません。

破産を理由とする解雇には、客観的な合理性も社会通念上の相当性もないことが多いと思います(労働契約法16条)。辞める必要はなく、毅然とした対応を取っていただいてよいでしょう。

一部の職業には資格制限(職業制限)があります

一部の職業については、自己破産が仕事に影響するケースがあります。

例えば警備員は「破産手続きの開始を受けて復権を得ない者はなれない、あるいは従事することができない」こととされています(警備業法14条、同法3条1号)。つまり破産手続きの期間中は、警備員として働けません。

警備員のほかには下記のような資格や免許が該当します。

  • 宅地建物取引業
  • 質屋
  • 風俗営業
  • 公証人
  • 弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士など

しかし免責決定の確定により復権されますので、職業制限は一定の期間に限られます

公務員が自己破産するとクビになりますか?失職してしまいますか?

A.一般的な公務員が自己破産を理由に失職することはありませんが、一部の特別職は例外があります。

一般的な国家公務員や地方公務員が自己破産をしたとしても法律上、欠格事由に該当しないため、解雇されません。

ただし、公正取引委員、人事官、公安委員など、一部の特別職の場合は例外があります。

破産すると今後の給料も差し押さえられますか?すでに差し押さえられている場合は?

A. 破産を申し立てると、新たに給料の差し押さえができなくなったり、差し押さえを中止させることができます。

1. 破産申し立て時に、給料が差し押さえられていない場合

裁判所に破産を申し立て「破産手続開始決定」が出されると、債権者は新たに差し押さえ(強制執行)ができません。

また免責決定後は借金が事実上ゼロになりますので、債権者は、その後の給料を差し押さえることができません。

2. 破産の申し立て時に、すでに給料が差し押さえられている場合

破産手続きの開始決定によって、差し押さえを中止できます。

ただし、差し押さえが中止されたからといって、すぐに元通りの給料を受け取れるわけではありません。

破産手続きの開始と同時に手続きが廃止される「同時廃止事件」になった場合、差し押さえが効力を失うのは、免責(借金の帳消し)確定後になります。

差し押さえ中止から免責確定の間にされた差し押さえ分の給料は、勤務先の会社によって保管(または供託)され、免責確定後に債務者に返還されます。

免責が確定すると差し押さえがない状態となり、元通りの給料を受け取れるようになります。

「管財事件」では「破産手続開始決定」後に元通りの給料を受け取れる

なお、裁判所より破産管財人が選任され、財産の換価などがされる破産手続きである「管財事件」であれば、「破産手続開始決定」によって差し押さえは効力を失います。

そのため開始決定がされ、管財人による手続きをへるなどした後、そう時間をおかずに元通りの給料を受け取れるようになります。

管財事件とは 詳しくはこちら

いずれにせよ元通りの給料を受け取るためには、速やかな破産申し立てが重要です。

給料が差し押さえられていてお悩みの方は、早めに弁護士に相談ください。

自己破産すると退職金はどうなりますか?

A. 一定の金額以上の退職金は、債権者への配当に回り(没収され)ます

退職金も財産ですので、「破産手続きの中でお金に換えましょう」という基本的な考え方は、他の財産と同じです。

支給済みの退職金の場合

受け取った退職金がたとえば「預金」として残存していれば、「預金」として額面どおりに評価したうえで、一定の金額以上は債権者への配当に回ります。

未払いの退職金の場合

未払いの退職金のうち、4分の3は差し押さえが禁止されています(民事執行法152条2項)。

受給までの間に、倒産や解雇などで受給できなくなるリスクもあります。

そのため未払いの退職金は額面どおり評価するのではなく、見込み額の8分の1相当額をもって評価するとしたうえで、一定の金額以上は適宜の方法で債権者への配当に回す、とするのが全国的な運用です。

Q.会社の取締役が自己破産するとクビですか?


A.会社の取締役が自己破産した場合、失職するか否かはケースバイケースです。

会社と取締役との間の契約は「委任契約」とされます。

民法では、受任者(≒取締役)が「破産手続きの開始決定を受けたこと」は、委任の終了事由のひとつとされています。

そのため、この規定を理由に失職するということはありえます。

しかし同規定は「任意規定」と解されていますので、取締役の破産が終任事由とならない旨の特約があれば、それに従います。

会社法は破産を取締役の欠格事由とはしていない

会社法は、破産を取締役の欠格事由とはしていませんので(会社法331条)、破産手続中であっても、改めて同取締役を取締役として選任しなおすことは可能です。

当事務所では自己破産や借金のご相談について、お電話・Webで無料相談(初回30分)ができますので、お気軽にお問い合わせください。