MENU
お問合せ

LEGAL COLUMN

法律コラム

公開日:2022.10.13

CASE

  • 法律コラム
  • 会社の倒産・再生

食品卸業の倒産(破産) | 現状と注意点 | 弁護士が解説

目次CONTENTS

新型コロナウイルスの影響で飲食業が痛手を受け、食材などの仕入れ先である食品卸業の経営環境も悪化しています。食品卸業を営む法人が破産する場合の注意点や流れについて、企業法務に精通する福岡・佐賀の弁護士法人 桑原法律事務所の弁護士が解説します。

食品卸業の倒産(破産) | 現状と注意点 | 弁護士が解説

コロナ禍での食品卸業の倒産状況|法人破産とは

帝国データバンクの調査によると、2022年の新型コロナウイルス関連倒産は1587件となっており、2000件に達するペースとのことです。

業種別でみると「飲食店」(624件)が最も多く、次いで「建設・工事業」(527件)、「食品卸」(218件)と続いています。

帝国データバンク「『新型コロナウイルス関連倒産』動向調査 9月30日16時現在判明分」より
https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/pdf/tosan.pdf

法人破産は、法人の清算手続きの一つの方法です。

借金が返せなくなったり、債務超過になったりしている会社について、裁判所によって選ばれた破産管財人が財産を処分・換価(お金に換えること)し、債権者に配当するなどして会社を清算する手続きです。

法人に財産がある場合は、換価され、税金や賃金などを優先して支払い、さらに残った資産を債権者に対して平等に配当します。

コロナ禍での食品卸業の倒産状況|法人破産とは

食品卸業の破産での注意点

食品卸業が破産する場合、食材の処分をどうするかが問題となりえます。

破産申立て前に処分すべきか、破産開始決定後に破産管財人に処分を委ねるかといった点も判断しなければなりません。

破産の開始決定を待っている間に食材の期限が切れてしまうと、売却できないばかりか処分にもお金がかかることになります。そのため、食材の在庫は破産申立て前に売却してしまうケースが多いでしょう。

破産申立ての前に処分ができない場合は、できるだけ長く保存して、破産手続開始決定後に破産管財人が処分することになります。

電源の確保

食品卸業の破産での注意点:電源の確保

当面の電気代が確保できるか等についても、検討する必要があるでしょう。

倉庫にある食料在庫などで会社に帰属するものは、破産手続きにより換価売却することになりますので、適切に保管しておかなければなりません。

生鮮品を扱っている会社であれば、大型の冷蔵庫や冷凍庫を保有しているでしょう。業務用に高圧の電気供給契約を結んでいるケースも多いと思われます。この場合、早期に電気契約が解除されてしまう可能性にも注意が必要です。

冷蔵庫などに食材を保管しておく必要がある場合は、弁護士が介入したうえで電力会社と協議し、在庫処分までの期間は電気代金を支払うことを約束して、電気が止まらないようにする必要があります。

食料在庫の管理​

食品卸業の破産での注意点:食料在庫の管理​

食品を扱っている会社が破産する場合、消費期限・賞味期限などが管理されていないと、破産手続きでの売却処分において問題となる可能性があります。

日持ちしない食料在庫については、保管費用や廃棄費用が発生する前に、早期に処分する必要があります。

債権者が在庫の返還などを求めてきても、そのまま応じることはせず、まずは弁護士に相談しましょう。

購入した食材がすでに自社に搬入されている場合は、代金が未払いであっても、その所有権は購入者に帰属しているものと考えられます。この場合、購入した商品を売り手に返還する行為は、「偏頗(へんぱ)弁済」(一部の債権者にのみ不公平な弁済を行うこと)として破産手続きにおいて問題視されかねませんので、注意が必要です。

ただし、賞味期限が迫っており、他社への販売も難しい食料在庫については、廃棄処分にかかる費用を考慮して、早期に返還を検討することもあり得ます。

また、在庫をきちんと管理し、債権者や従業員によって勝手に処分されないような対策(警備契約の継続など)も必要です。

法人破産の費用とは

食品卸業の破産|法人破産の費用とは

法人破産をするには下記のような費用がかかります。

弁護士費用

当事務所の場合、法人破産の着手金は55万円からとなっています。

報酬金は、原則としていただきません。

法人破産についての初回のご相談(30分)は無料です。

弁護士費用について詳しくはこちら

予納金

予納金とは、裁判所に納める費用です。

法人の破産申立ての場合、裁判所に一定のお金を納める必要がございます。
額はケースバイケースですが、福岡地方裁判所の場合、少なくとも20万円~となっております。

手数料

印紙代(1,000円)、官報公告予納金(15,000円前後)、郵送料などがかかります。

食品卸会社の破産については弁護士にご相談を

食品卸業の破産については弁護士にご相談を

上記のとおり、食品卸業が破産する場合には、あらかじめ検討しておくべきことがあります。

経営が立ち行かなくなりそうだと思ったら、お早めに当事務所の弁護士にご相談ください。今後の見通しを立てながら、スムーズに破産手続きを進められるように、一緒に準備をしていきましょう。

当事務所は、会社(法人)の破産手続きについて、無料相談(初回30分)を承っております

破産を選択すべきか、再建の道を選ぶべきかは、会社の状況に応じて適切に判断する必要がありますので、弁護士が会社の状況を整理した上で、最適な方法をご提案します。

会社が債務超過になっても、ただちに破産が必要ということにはなりませんが、決断が必要なケースはあります。どのような対応をとるにせよ、早く対処すればするほど、選択肢の幅が広がります。

「医療・介護」「飲食・ホテル」「小売・店舗」「保育園」「タクシー」「士業」「不動産」「コンサルタント」「人材サービス」「フィットネス」など30名以下のサービス業に特化した顧問弁護士サービス
月額11,000円でお試し可能!詳しくはこちらをご覧ください >

 

※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。