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法律コラム

公開日:2020.04.07

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  • 新型コロナウイルス関連

新型コロナと従業員の出社拒否|出社命令・懲戒処分は可能?

目次CONTENTS

Q.新型コロナウイルスへの感染リスクがあるという理由で、従業員が出社を拒否しています。出社するよう業務命令を出しても問題ないでしょうか。

A. 必要な感染対策、環境整備等が整っている場合は、出社を命じることができます。

使用者は、労働者に対し、「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をしなければならない」という安全配慮義務を負っています。

したがって、使用者は、労働者が安全に労働することができるよう、必要な感染対策、環境整備等をしなければなりません。かかる環境が整っている場合は、使用者は労働者に対し、業務命令として適法に出社を命じることができます。

なお、労働者が自主的な判断で出社をしない場合には「ノーワークノーペイの原則」により、賃金を支払う必要はありません。

Q.従業員が新型コロナウイルスに感染したと思われる症状があるとの理由で、出社を拒否しています。出社するよう業務命令を出しても問題ないでしょうか。

A. 安全配慮義務に違反する可能性があるため、出社命令を出すのは適当ではないでしょう。

従業員に新型コロナウイルスに感染したと思われる症状が出ているにも関わらず、出社命令を出した場合、他の従業員の安全が害されるおそれがあります。

Q.従業員が、家族に新型コロナウイルスに感染したと思われる症状があるとの理由から、出社を拒否しています。出社するよう業務命令を出しても問題ないでしょうか。

A. 出社命令を出すのは適当ではないと判断される可能性があるでしょう。

この場合、従業員自身に症状が表れているわけではないので、使用者が負う安全配慮義務に違反する可能性は、相対的に低くなりますが、新型コロナウイルスの感染力の強さや、感染者の家族は濃厚接触者と判断されて外出自粛を求められている現場の運用にかんがみますと、出社命令を出すのは適当ではないと判断される可能性があるでしょう。

Q. 従業員が、子どもの小学校が休校となり面倒を見なければならないという理由から出社を拒否しています。出社するよう業務命令を出しても問題ないでしょうか。

A. 従業員が年休権を行使した場合には、使用者は原則としてこれを認めなければならず、出社するよう業務命令を出したい場合は時季変更権を行使する必要が出てきます。

他方で、年休権の行使ではなく出社を拒否する場合は、使用者は労働者に対して業務命令として適法に出社を命じることができます。

それでも労働者が出社しない場合は、「ノーワークノーペイの原則」により賃金を支払う必要はありません。

Q.新型コロナウイルスが拡大していますが、事業継続のために、重要業務に従事する従業員に対し、出社を命じることは可能ですか。

  • 新型コロナウイルス対策のために、多くの従業員にリモートワークを推奨していますが、課長級以上は出社するよう業務命令を出しても問題ないでしょうか。

A. 異なる立場の従業員(この場合、重要業務に従事する従業員)に対して、異なる業務命令を出すことは可能です。

しかし、使用者は従業員に対し安全配慮義務を負っているため、出社させる従業員の安全に配慮した感染防止策をとらなければなりません。

Q.出社を命じた従業員が年休権を行使したら、時季変更権の行使ができますか?

  • 事業継続のため、新型コロナウイルス感染防止策を十分に講じたうえで、重要業務に従事する従業員に出社を命じました。従業員が年休権を行使した場合、時季変更権の行使ができますか。

A. 年休権の行使が会社の事業の正常な運営を妨げる場合は、時季変更権の行使が可能です。

会社は、原則、従業員が年休権を行使した日に有給休暇を与えなければなりません。ただし、当該年休権の行使が会社の事業の正常な運営を妨げる場合は、時季変更権の行使が可能です。

したがって、ケースバイケースにはなりますが、事業継続のためやむを得ず、必要最小限の重要業務従事者にのみ出社を命じている場合、当該従業員が年休権を行使することにより、当然に会社の正常な運営が妨げられることになると思われますので、このような場合には時季変更権の行使ができる可能性があります。

もっとも、従業員が年休権を行使した日に有給休暇を与えなければならないのが原則ですので、年休権の行使が本当に事業の正常な運営を妨げるものなのか、時季変更権を行使せずとも事業の正常な運営を行うことができるのではないかといった検討は必要でしょう。

 

Q.従業員が、新型コロナウイルスの感染リスクを理由に出社を拒否しています。これを理由に懲戒処分を行うことは可能でしょうか。

A. ケースバイケースですが、懲戒処分については、基本的に慎重にならざるを得ないと考えます。

使用者として、できる限り感染リスクを排除した労働環境を構築しているのであれば、使用者は適法に出社命令を下すことができます。

出社をしない場合、懲戒処分を有効に行えるかについては、欠勤による混乱の程度、電話での連絡は可能かどうかなどを踏まえた判断になりますが、重い懲戒処分や解雇を適法に行うことは難しく、慎重に対応することが求められます。

Q.技能実習生が新型コロナウイルスを理由に一時帰国し、帰ってきません。どうすればよいでしょうか。解雇は可能でしょうか。

A. ケースバイケースですが、懲戒処分については、基本的に慎重にならざるを得ないと考えます。

使用者として、できる限り感染リスクを排除した労働環境を構築しているのであれば、使用者は適法に出社命令を下すことができます。

出社をしない場合、懲戒処分を有効に行えるかについては、一時帰国による混乱の程度、今後の出社に向け電話での連絡は可能かどうかなどを踏まえた判断になりますが、重い懲戒処分や解雇を適法に行うことは難しく、慎重に対応することが求められます。

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