公開日:2022.04.21
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交通事故のむち打ち、通院から慰謝料受け取りまで | 対応の流れを解説

【本記事の監修】 福岡の弁護士 弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋 (代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。
目次CONTENTS
車などで衝突され、首を痛める「むち打ち」は、交通事故で起きる代表的なケガのひとつです。どこでどうやって治すのか、慰謝料はいくら支払われるのかなど、福岡・佐賀で交通事故に精通している弁護士法人 桑原法律事務所の弁護士が解説します。
むち打ちとはどんな症状?
むち打ち(むち打ち損傷)とは頭や背中に強い力がかかり、首などに痛みが生じるケガのことです。車による追突のほか、ラグビーや柔道といった運動の衝撃でも起こります。
主な診断名と症状は下記です。
- 頸椎捻挫(けいついねんざ)または外傷性頸部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん):代表的なむち打ち。首(頸椎)のねんざ。脱臼や骨折はなく、首回りの筋肉や神経などが損傷した状態。首の痛み、頭痛、疲労感など。
- 腰椎捻挫(ようついねんざ):腰のねんざ。動くと生じる腰の痛みなど。
- バレリュー症候群:首まわりの自律神経(交感神経・副交感神経)がバランスを崩して起こる症状。頭痛、めまい、耳鳴りなど。一定期間がたったあとに発症することもある。
むち打ち通院:MRI検査、いつ受ける?
まずは整形外科で診察してもらいます。むち打ち損傷は事故直後に症状がなくても、翌日になって起きるケースなどもあります。
事故から時間がたってから病院に行くと、事故との因果関係が認められない可能性が出てきます。症状の有無にかかわらず、できるだけ早く対応しましょう。
検査は治療のために必要なだけでなく、症状と事故との関連を示す証拠になります。むち打ちが疑われる場合、下記のような検査が考えられます。
- レントゲン検査:ひとつの方向からX線をあて、平面の画像を撮影。骨が折れていないか確認
- CT検査:体の周囲からX線をあて、立体的な画像(輪切り画像)を撮影。脳や骨の損傷を確認
- MRI検査:磁気を使い、臓器や血管などを撮影
むち打ち通院、いつまで?誰が決める?
症状があって治療を続けてもそれ以上、回復は見込めない状態(自然経過での回復、治療による一時的回復などは望めます)を、保険の実務では「症状固定」と呼んでいます。
症状固定は医師が基本的に判断します。
相手方の任意保険会社から「そろそろ治療費の支払いを打ち切りたい」と言われるケースもありますが、痛みが残っている場合はしっかり具合を伝え、医師に相談しましょう。
むち打ちであれば、多くの場合、およそ3か月(長くて6か月ほど)で「症状固定」になり、賠償の対象となる治療費の支払いは原則終わりとなります。
治療やリハビリ自体を終わるかどうかは、患者次第です。
症状固定になると、治療費や休業損害、慰謝料などが計算できる段階になります。
むち打ち治療費、誰が払う?
一般的には加害者の任意加入保険から、治療費が支払われます。
加害者側の任意保険会社が窓口となる「一括対応」なら、治療費を自分で立て替える必要はありません。ただし前述の通り、一方的に対応を打ち切ると言われる可能性はあります。
被害者が直接、保険会社に請求する「被害者請求」であれば、治療費はいったん自分で立て替える必要がありますが、あとから加害者の自賠責保険会社(120万円を超えた分は任意保険)に請求することができます。
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むち打ち通院、いくらもらえる?
むち打ちでもらえるお金の種類(費目)は、主に以下の通りです。相手側の任意保険会社に請求します。
- 医療費(診断書代や交通費も含む)
- 休業損害:交通事故のケガが原因で仕事を休み、減った収入
- 傷害(入通院)慰謝料:むち打ちの治療のため医療機関へ入院・通院した結果、生じた精神的苦痛
- 後遺障害慰謝料:事故で残った後遺症(後遺障害)による精神的苦痛。障害の重さによって1〜14級まで。むち打ちは一般的に14級、または12級
詳しくはこちら - 逸失利益:事故にあわなければ得られたはずの将来の収入。後遺障害が認められた場合のみ
むち打ちなど軽傷による入通院慰謝料の裁判所基準は、下記になります。
むち打ち通院3か月(90日)後遺障害なし
むち打ちのため、3か月通院して完治(後遺障害はなし)した場合、裁判基準での入通院慰謝料は53万円です。
むち打ち通院6か月(180日)後遺障害なし
むち打ちのため6か月通院して完治した場合、裁判基準による入通院慰謝料は89万円です。
むち打ち通院6か月(180日)後遺障害14級
後遺障害等級が認められると「入通院慰謝料」に加え、「後遺障害慰謝料」が支払われます。
裁判基準による後遺障害慰謝料は、下記になります。
むち打ちで6か月通院し、後遺障害「14級」と認定されると、裁判基準では下記になります。
- 入通院慰謝料:89万円+後遺障害慰謝料:110万円=199万円
むち打ちで示談、期間は?
むち打ちが完治するか、後遺障害の有無が決まるなど損害が確定すれば、相手側の保険会社と示談交渉をします。
相手側から提示された賠償額や過失割合などについて話し合います。弁護士に交渉を任せた場合、弁護士も損害額の算定をします。
むち打ちの場合、治療終了から示談成立までに、半年ほどかかるケースもあります。
示談が成立した2週間後をめどに、被害者の銀行口座にお金が振り込まれます。
むち打ちの慰謝料は弁護士に相談を交通事故被害にあうと「相手や保険会社の誠意を感じられない」「相談できる相手がいなくて心細い」といった悩みを抱えがちです。
創業25年目の桑原法律事務所は、佐賀・福岡において交通事故の弁護を手がけています。約2億5,200万円の賠償(当初提示額の約4.5倍)を獲得するなど、高額な賠償などの実績もございます。
交通事故については、無料で相談(初回30分)をお受けしております。
提示された慰謝料の額について妥当かどうかなど、弁護士が無料で診断しますので、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。